墓を継ぐこと、これからの墓地

こんにちは。

えーっと、これを書いているのは8月15日になります。

戦争の云々の日であり、追悼の日でもあります。

でも、私には亡くなった母の誕生日。

命日が元旦という、世の中の空気を無視した素晴らしい母です。


きしめん大好きな母でした。


実は、ほぼ縁切り状態の従兄弟から「墓を名古屋市内に移そうとだんな寺に相談したが、難航中で困った」と連絡が。

父の他界後に、父方の叔父へ仏壇も墓も託したので、何を今さら。
知らんがな。


【お寺とお墓のお話】

うちの代々の墓があるのは「寺院境内地墓地」なので、寺院と壇信徒契約を結んだ関係になります。

檀信徒は、墓地の使用権を有しますが、檀信徒として寺の維持その他の義務を負っています。


我が家のだんな寺は、三河の浄土真宗のお寺。

祖父は若い頃に名古屋へ出てきましたが、祖父母の葬儀の時にはだんな寺からご足労いただきました。


が、母と私がパニックになる出来事が。


父が他界。

末期癌が判明してからわずか一週間。
ぽーっとしているうちに、お別れです。


【お墓を継ぐということ】

お墓の所有権と使用権を有する者は、祖父→父→私、となりました。
(配偶者が継ぐ慣習はなかったので)


民法第896条(相続の一般的効力)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

民法第897条(祭祀に関する権利の承継)

系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。



「被相続人の財産に属した一切の権利義務」とは、相続財産のことを指します。

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務(相続財産)を承継しますが、祭祀財産(系譜、祭具及び墳墓)の所有権は、そこから除外されているというのが、民法の規定です。


父方の墓は断固入居拒否よ!の母と、私だってあんな田舎は嫌だ!と悩んだあげく、両親と私のマイホームを持つ選択をしました。

先祖代々の仏壇と墓、どうしましょ?

大前提として、私はひとり娘。


祖父と父が常々「ひとり娘だから墓は継がせられない」とお寺と叔父や叔母に告げていてくれたおかげで、私が承継しないことはお寺も親戚も承知。

よって、父方の叔父には男子(従兄弟ね)がいるので、全て叔父へ。

跡取り息子がいるところへお任せするのは、慣習としてもおかしくありませんし、何といっても父の生前の意思表示があります。


「民法第896条(相続の一般的効力)」の定めにより、一般的な相続財産は、父(被相続人)から母と私(共に相続人)へ。

「民法第897条(祭祀に関する権利の承継)」の定めにより、過去帳・仏壇・お墓の所有権は、父(被相続人)から叔父が「祖先の祭祀を主宰すべき者」として承継した、ということになります。

お寺の同意を得て、お墓の使用権も叔父へ。


こうして、家裁に持ち込むまでもなく、必要書類を揃えて手続きして、私は権利関係から離脱。

めでたしめでたし。


【お墓の移動】

従兄弟は墓を移したいなら、

①引越し先の霊園や寺院の管理者の受入証明書または永代使用許可書の発行を受け、
②現在遺骨を埋葬してあるお寺に埋葬証明書を発行してもらい、
③そのお寺の所在する市区町村から改葬許可証の発行を受けなくては納骨ができません。

墓地使用権をお寺に返す時には、墓地管理規約等で更地にするなどの条件が定められていますので、これに従うだけです。

あとは当事者でよきにはからえ、です。


【仏壇なし墓地なしのわたくし】

法事は略したとしても、命日等はどうしたものかと放浪。
あちこちのお寺でお経をあげてもらいました。

そんな中、とあるお寺で。

位牌の中を開けたとき、「バロン」と愛犬の名前が。
母がこっそり入れたんです。おほほ。

それを見て、読経の時に両親の戒名と一緒に「バロンくん」と呼んでくれましたの。

涙がちょちょ切れました。

父の急逝後に、母を支えてくれた愛犬ですもの。

お互い、若い頃から顔見知りではありましたが、改めて読経の声や法要に対する姿勢、人となりなど、とても素晴らしいなーっと。

こんなお坊さんに出会えたことは、たいへん心強くてありがたいです。

以来、彼にお願いしています。

・・・宗派、違うけど。


★実際の手続きは、当時の担任の弁護士教授に相談して行いました。
★法律上の諸手続きや相続については、専門家にご相談くださいね★


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残暑御見舞い

初めまして。
以前から覗かせてもらっていましたが、記事から滲み出るお人柄に拝し、拙文を謹呈いたします。
三河ですから地ノ神を御存知でしょうか?西遠(隣県ですが)では地の神様というお祀りがあります。
下記が詳しいでしょうか。
http://mitsuke-tenjin.com/jinokami.html
御先祖様が五十年を経て屋敷に還ってくるとか。
ご自宅を選ばれた選択も決して間違いではないと思います。まして自宅を選ばれたことで、柵生計(しがらみナマグサ)坊主ではなく、心に御仏の教えを心に響かせる事が出来る替え難い僧侶に出逢えたのですから。

忠輝様

はじめまして。残暑お見舞い申し上げます。

あたたかいお言葉を賜り、心から御礼申し上げます。

自宅には神棚がありましたが、神様がどちら様か存じませず、申し訳ございません。

なるほど、隣県ではこのようなものがあるのですね。

ご先祖様が戻る屋敷の目印になるのかしら。
引っ越しても地ノ神様があれば、迷子にならないのかなぁ。

三河の祖父の実家では日常から非常に仏様を大切にしており、従姉達と蓮の葉っぱで遊んでいたらものすごい勢いで飛んできた大叔父に怒鳴られました。

そのわりには、だんな寺様がなかなかのお金好きもにょもにょで、そんな事も背景にあったことは否定できません。

昨今の家族事情では、先祖代々の墓を守ることは困難になっておりますね。これからもどんどん無縁仏が増えていくことは明白。
親が生きているうちに相談しておくことはとても大切だと思います。

コメントありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
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つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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