丹生都比売神社(6)合祀された境内社の佐波神社
さぁて。神仏分離の後に来るのは、神社合祀です。
丹生都比売神社境内にも、あります。

それが、楼門に向かって左側の佐波神社。
二つ鳥居は、高野山町石道と天野社(丹生都比売神社)との分岐点。

もしゃもしゃの中。

明治時代に、上天野地区のお社を合祀したそうです。

何柱が合祀されたのかはわかりませんが、かわいいお社です。
もし、毎日「こんにちは♪」とご挨拶している神様が、無理矢理合祀されてしまったら。
空洞になった元のお社の鎮守の杜は二束三文で売り払われて、社殿はどこかで薪になってしまったら。
悲しいな。
それが、神社合祀というものです。

あ、狛ちゃん?

こ、こ、こ、こまぶーさん?

木像のかわいい子です。

やけ酒ですか?

素朴なのに、見る角度によって表情が変わる気がします。

きゃっ。

えーっと。山犬?

狛犬さんがどこから来たのか、あるいは新しく作られたのかは不明ながら、ちゃんとお社と神様をお守りする狛犬さんがいるのは、何だか安心。

あっちこっちにセミの脱け殻、の季節です。
さて、上天野地区の合祀先がここなら、下天野地区は八幡神社。

明治41年、村内無格社5社を、当神社に合祀。
⇒⇒⇒記事はこちら→→下天野の八幡神社
http://rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-958.html

二つ鳥居は、
慈尊院から始まる高野山町石道より丹生都比売神社へ至る分岐点。
下天野の八幡神社は、かつては本地堂・神宮寺があるお社だったようです。

明治の神仏分離で本地堂・神宮寺は廃され、仏像などは下天野延命寺に遷座し、現存するそうです。
阿弥陀如来坐像(平安前期):下天野八幡社本地堂旧仏と推定(「八幡寺旧蔵仏像仏具移転目録」、「本地堂古仏修復勧化帳」元禄17年)
十一面観音立像(平安前期):下天野八幡社神宮寺旧仏と推定(「八幡寺旧蔵仏像仏具移転目録」)
観音菩薩立像(平安前期):下天野八幡社神宮寺旧仏と推定(「八幡寺旧蔵仏像仏具移転目録」)
持国天・多門天立像(ニ躯、平安前期):下天野八幡社神宮寺旧仏と推定(「八幡寺旧蔵仏像仏具移転目録」)
「がらくた置場」minaga様より引用
http://www7b.biglobe.ne.jp/~s_minaga/sos_amanosya.htm
いつも応援いただきありがとうございます。
思いがけずかわいいちっちゃな狛犬さんに出会えて、とっても幸せ。素朴な可愛らしさが何とも言えない、味わい深い子達でした。分離前の下天野の八幡神社神宮寺にまつられていた仏様達がご無事なのは何よりです。しかし、個人で、集落で守っていく難しさは今後もっと現実的になっていくと思います。せっかく難を逃れた大切な仏様の保護を真剣に考えなくてはならないけれど具体的にどうするのか。大きな課題です。



お手数をおかけ致します。ありがとうございます。
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