脇人神社(2)脇人大明神は武田信虎の子・信顕と孫の信定

こんにちは。


まぁ、ご丁寧に。


徳島県美馬市脇町の脇人神社。

脇城城主・稲田植元が脇城丸の内に祭った屋敷神で、祭神は脇人大名神。

・・・どちら様?



脇人神社の後方には、脇城跡。(貞真寺は稲田氏菩提寺)

天文2年(1533)。三好長慶が脇城を修築。


この三好氏、元は小笠原氏一族。

小笠原氏の祖は、信濃守(任官by源頼朝)の加賀美遠光の次男・長清。
「甲斐国の小笠原村」に拠ったため小笠原氏を称します(甲斐源氏)。

小笠原長清の孫・長房が承久3年(1221)の承久の乱の後、阿波国守護に任ぜられたことから、阿波国の小笠原氏の歴史が始まります。


弘治2年(1556)3月、三好長慶の計らいによって、大和から脇城へ入ったのが、武田上野介信顕(のぶあき)。


突然の武田さんの登場で画像が追い付きません。へへへ。


この武田上野介信顕(のぶあき)とは、武田大膳大夫信虎の庶子で、武田信玄(晴信)の異母弟。


「信顕、駿河に生れ今川義元の家に養わる。童となり、来りて脇城に居る。元亀2年(1574)、源(三好)長治に侍任す」(『阿波志』)

「脇城 武田上野亮、源氏、150貫、紋割菱也。武田信虎今川家ニ寄宿ノ時ノ子也」(『古城諸将記』)


武田氏も小笠原氏同様、甲斐源氏(嫡流)。


そこへ、お約束。


長宗我部軍がやって来た。

脇城は天正10年8月22日に落城。


脇城落城の折、長曽我部勢により脇町の町家は残らず焼き払われ。


讃岐へ逃れた城主・武田信顕は、讃岐国大川郡白鳥で戦死。


(白鳥神社の狛鶴さん)

遺体は同郡大内町東照寺に葬られ、法名は恵命院仙室等庵居士。

信顕の子・千勝丸信定は捕らわれて自決(享年16歳)。




後に、阿波徳島藩主・蜂須賀家の筆頭家老の稲田氏が脇町を領した際に、この信定を哀れみ、脇町丸の内に「脇人大明神」として祀ります。

後に父の武田信顕も合祀。


「武田上野介公嫡子千勝丸公十六才ニテ長曾我部新右衛門方へ虜ニ相成リ家老吉田六郎左衛門子息孫市同佐野筑後守子息善左衛門湯浅志摩助三人当地ニ相成リ軍中聞合ヒ見合セ千勝丸取返シ度所存ニテ相残リ申ス所千勝丸切腹相成リ御霊所古城跡丸ノ内ニ御座候其後所ノ氏神ニ勧請仕リ唯今神号ヲ脇人大明神ト相唱へ候」(『古城跡御答向一巻』脇人神社由緒)



これが脇人神社の由緒。


武田信玄の異母弟の信顕親子がここに祀られているとは。

何ともしみじみ。


来てよかったなぁ。


たらったらったらった~♪


ぶち壊しです(泣)


さーてと。そろそろ失礼しようかな。


うん、またね。


たぶんね。


狛ちゃん、それは無理です。


千勝丸信定(享年16歳)の位牌は現在、美馬市の指定文化財(第34号脇町指定文化財)として、脇町本町の個人宅に保管されているそうです。



参考文献

阿波学会研究紀要
『脇城および岩倉城とその遺構の実測調査』より
http://www.library.tokushima-ec.ed.jp/digital/webkiyou/19/1916.htm


脇人神社
《住所》徳島県美馬市脇町大字脇町1102




いつも応援いただきありがとうございます。
脇人神社で知った、武田信虎庶子の信顕とその子・千勝丸信定。三好長慶は自身のルーツである「甲斐源氏」の縁もあって信顕を脇城城主としたのかな。稲田植元が脇城へ入った時は、さぞかし荒れ果てていたことでしょうね。そんな中で、千勝丸信定をまず祀った稲田氏は、狛犬愛繋がりで私の中の「いいひと」枠筆頭です。まぁるい狛犬さんと共に忘れられない神社になりました。

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No title

こんにちは。お邪魔します。
かわいい狛犬さま’sにドッキュ~~ン♡で
ございました!!
どんどんまんまるになられていくのですね。。
葉っぱの生えてる?お首の注連縄がほんとにキュートなネックレスに見えます。
ダンシング狛さま~も彫りが細かくて素敵ですね!!(#^^#)
稲田家家臣団が離れる際大切に持ち出されたという
木彫りの狛犬さまのお話もじ~んとしました。

No title

こんばんは~

よもや武田信玄公の異母弟が出てくるとはビックリ(@@)

嫡男・千勝丸は16歳の若さで切腹したんですね・・・
戦国は切ない  (゜-Å) ホロリ

うっかり本気泣きしそうになったんで、狛犬ダンスにホッコリしました。^^
ぽちぽちぽちーーー☆彡

No title

こんばんは、kotodayoriです。

いつもブログへのご訪問、ありがとうございます。

甲斐武田家と、徳島の結びつき、初めて知りました、そして戦に敗れての戦死、戦国時代の常とは言え、悲しい話ですね。

知らない歴史の話を楽しみに読ませていただいています、これからもよろしくお願いいたします。

No title

こんばんは。

そうなんですか。
武田信虎の子と孫が、脇人神社の御祭神に。
信定殿は、たったの16才、満年齢で言えば14,5歳の高校1年生くらい?
それを一生懸命守っているのが、このアザちゃんみたいな狛犬さん達。
本当にしみじみ・・・

No title

徳島県に信虎の息子がいたなんて驚きました。
信虎は駿府に来たときお女中をたくさん連れてきたし、今川館でも娘をもうけているし、困ったおっさんですね。

最後の将軍の慶喜さんは明治になって側室2人を連れて静岡へきますが、この二人が毎年、代わる代わる出産しているんです。

でも男の性と思えば、今の時代の男性はちょっと可哀そうかな。

おきまちあき様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

もう、ですね、内緒なんですが、どんなに名工が細工を施そうとも、このまぁるい狛犬さんには勝てないんじゃないかと。

首の注連縄に注目して下さって嬉しいです。
葉っぱが生えるということは、小さな小さな土が狛犬さんの体にあるのかなー?土に帰ってしまうのかなー?と、じわじわしました。

まぁるい狛犬さんにしみじみした上に、由緒のお話。
ちーんっとなる中で、和みました。だんしん狛犬。

昨年はるばる北海道までこのチビ狛犬さんを追いかけていきましたが、ほんとにね、かわいくてかわいくて。

着物等は売り払ったりしたようですが、ここでも狛犬さんを大切にされてまして。

私の中では、稲田家主従=狛犬好き、なイメージが。おほほほ。

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

三好長慶とどう縁を結んだのかは調べきれませんでしたが、こちらではそのようになっているようで。

小笠原さんが阿波守護になった事から、阿波国と東の国とはなんとなーくご縁が出来てたのかなー。

千勝丸は怪我でもしてたのかな。
とーちゃんとはぐれたのかな。
怖かっただろうなぁ、長宗我部の人たちは。

狛犬ダンスでほっこりしていただけて、何よりです。

kotodayori様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

三好長慶と稲田家を追いかけておりますので、お社を巡っていても血生臭いお話になってしまいます。

私もこちらを訪れるまで武田信玄異母弟が徳島へ来ていたとは全く存じませんでした。

おっしゃる通り、戦国時代の常とは言え、悲しいお話です。

例え一時ではあっても、一城を任された事を「よかったね」と言っていいものやら。悩むところです。

若葉萌える季節、そろそろ京都市内の散策もしたいところです。
仁和寺、静かになりましたかしら。

いつもあたたかいコメントをありがとうございます。

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

そうなんですよ。武田信虎の子供と孫が、祭神様に。

一宮とか式内社でなかろうと、脇人神社のような由緒のお社は、心にズシンっときますね。

神話の世界の神社も素敵ですが、生々しいけど人々の息吹が感じられる場所がやはり面白いし、好きです。

おっしゃる通り、まぁるいアザ狛犬さんが一生懸命お守りして、もう怖いものは来ないよ、っと言っている気がします。

雨宮清子(ちから姫)様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

そうなんですよ。驚きました。
同じ甲斐源氏であるから三好長慶を頼ったかどうかは根拠が不明ですが、小笠原氏の存在が指摘されるところです。

信虎とーちゃんも、慶喜さんも、暇だったんでしょうか。
ごほ。

育てていけるものがあれば子沢山でもいいですが、昨今の様々な事件を思うと、うーん、と思うこともあります。

三好長慶と弟達の後が続かなかったことが少し寂しい阿波の旅。
信虎とーちゃんのようにしぶとく生きてくれていたら、と思いますの。
ざんねん。
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