祭神・月読命と宗像三神。西照神社は水墨画の世界

標高946mの大滝山山頂直下に鎮座する西照神社。
この大滝山があるのは、

中国四国農政局HPより引用
http://www.maff.go.jp/chushi/kj/yoshino/2/1.html
吉野川北部に連なる讃岐山脈(阿讃山脈)。の、「山脈」の辺り。
北へ上れば讃岐国、南へ下れば阿波国。
吉野川をどんぶらこっこしたら、そこは海。
淡路島を経由しても、海路でも、畿内は近い。
つまり、東部四国一帯と東大和紀伊の動向を見るにはうってつけ。
そんな、位置関係。

狛ちゃんしか見えないよー。

拝殿、ぼー。

肉眼でも霞んでおりました。
【祭神】
月読命、宗像三神(市杵島姫命、田寸津比売命、田寸比売命)

ここまで山道を走ってきてよかったなーと感慨無量なり。
【由緒】(境内説明板が秀逸なので、まるっと引用)
大滝山阿讃国境に位し標高九四六米七尾七谷の源をなす嶺峰にして古代「大嶽山」と稱せられる。
由緒、古伝の存す所を案ずるに上代神世の昔、伊耶那岐尊、高御産巣日神の詔を以ちて、筑紫の日向の橘の小戸の阿波峡原に降り禊祓まして心身清浄なる身を以て山川草木各々の主管者を任命し終りに天照大神を高天原へ。
祖国並に大八州国を統治し次に月読尊は夜の食国(筑柴の国即ち九州全域尚湯の出る国即ち四国の嶋)を統括し東大和紀伊の動向を看視せよと委任し給ふ。

ガスが過ぎる。
そこで月読尊は航海の神、田寸津姫命即ち宗像三神の部族を率いて伊豫から阿波の国に移り大嶽山の頂、展望のきく所に櫓を設け瀬戸内海難波及び大和の動向を監視せしめ、天津神の詔を体し九州四国を統括し、蒼生人(あおひとぐさ)の九厄十悪を祓ひ退け、夜毎に白露をふらし、五穀草木を潤し海上安全を守護されしと降って、神威厳かなれば古来より登山参拝者今にたえず。
平安朝の初期桓武天皇の御代僧空海二十四才の頃三教指針(神道儒教仏教)の一佛教を選び厳修体得せんと大嶽山に登り、北面の崖の中腹に山籠すること三年。
教理に初光を見出し、続いて土佐の国室戸に至って三年余を経て都に赴く。

なぜこんなに首が長いのか。
偶に遣唐使の渡航舟団に加はるに及んで、大嶽山航海の神に安全を祈願して出航す。
途中台風に遭ひ遣唐使の三隻は行方不明になるも空海は遙か南方唐の赤岸鎮に漂着。
陸路都長安に至り、青竜寺恵果和尚に教を乞ふ。
和尚之を優遇し密教の奥義を伝授。
さる帰国に及んで大嶽山の三神に厚く感謝せし。後門弟をして別当寺を建て奉仕せしむ。
別当寺の大滝寺は今は西照神社の麓にあります。

これ以上さがると、石段から落下。
「幕政時代、各神社は各々寺院或は別当の専有奉仕となり、山号を大滝獄と改め社名を西照権現と改称され明治維新に至り。」(西照神社公式サイト)
続いて本地垂迹の説を唱え布教に之努め社号に権現号を贈り、西照大権現と改稱し、神祇官に代わり祭祇を司り明治六年に至る。

拝殿前の石灯籠に「西照権現」の文字。
藩政時代阿州猪ノ尻の城主稲田家信仰篤く現脇町字大谷奥部落を当社の地領として石高九石八斗余を寄附せられ また讃州高松の藩主松平家の祈願所なるにより営繕費として石高五十石を寄附されたり。

大滝山は、徳島県と香川県との県境に連なる讃岐山脈のひとつ。
明治3年太宰官布告により神仏混合分離の政令が下ります。
明治六年、神仏習合分離の大政官布告に基き、社格郷社「西照神社」と旧に服し、神官をして祭祇することとなり今日に至る。

ふむ。神仏分離なり。

長くなっちゃった~。

頭はいずこ。

お花をくわえた、せにょーる。

灯明杉にも伝説あり。
幹周4.5m・樹齢500年で『千年杉』と呼ばれていて、『日清戦争が布告されたとき、杉の穂先に突然灯がともり、毎晩輝き、翌年に突然明かりが消えた翌朝に講話戦勝の報が入った』そうです。
また日露戦争の時にも、この現象が繰り返されたそうです。
(西照神社公式サイトより引用)

水墨画の世界・・・。
つづく。
西照神社
《住所》徳島県美馬市脇町西大谷672
脇町から国道193号を北上、夏子ダム南側より阿讃中央広域農道に入り、県道252号→県道106号。要所には「大滝山」「大滝寺」等の表示あり。
いつも応援いただきありがとうございます。
大滝山の位置関係から、阿波と讃岐の双方からの崇敬が篤かったことが頷けます。山奥のお社の雰囲気満点で、とてもすがすがしい気分でお詣りしました。こんな光景を味わうことが出来るなら、神戸を抜けるまでの大渋滞なんて何のその~!



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