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淡路島に漂着した香木で十一面観音菩薩立像。世尊寺(その6)

こんにちは。


淡路島の西側にある、


枯木神社。


「推古三年夏四月。沈水漂着於淡路嶋。其大一圍。嶋人不知沈水。以交薪約於竃。其烟気遠薫。」(『日本書紀』巻二十二)



推古天皇3年(595年)。淡路島に大きな流木が漂着。


島の人が知らずに薪と共に竈で炊いたら、遠くまで良い香りを漂わせました。

不思議に思って、推古天皇へ献上。

流木は「沈水(じみ)」という香木だったのでした。

この「『日本書紀』巻二十二」の記述が、日本における「香木」の初出。


沈水(じみ)の大きい方は献上しましたが、

小さい方を薪にしようと鋸でひこうとしたところ障りが起きたので、海に捨てます。

が、何度海へ捨てても戻ってくる。

そこで、地元の人々はお社を建てて、香木をご神体として祀りました。

それが、


淡路島西海岸の中程、一宮にある枯木神社。

日本最古の香木伝来伝承地とされています。


近年、古びた祠を現在の社殿に建て替える折にご神体を数百年ぶりに開いたところ。

確かに、香木であったそうです。


【比曽寺の十一面観音菩薩立像】


さて一方、淡路島から推古天皇へ献上された沈水(じみ)の流木。

聖徳太子の奏上により、この香木から仏像が彫られます。

それが、


比曽寺(現・世尊寺)に伝わる


「十一面観音菩薩立像」だというのです。(※画像右側)(世尊寺パンフより)

ここまでは、伝承。


高さ約2.18mの大きな観音様。

「奈良時代の作と伝えられ、菩薩の立像である。頭部は一見して鎌倉期の後補とわかるが、体部は古様の切れ味のいい刀の冴えを見せる一本彫刻である。
胸を張った胴長、腰長の変わった体形の大像である。」
(世尊寺パンフレットより)


奈良県教育委員会の調査では、この仏像が奈良時代(8世紀)に造られ、鎌倉時代と江戸時代に、頭部や腕の一部を補修していることが確認されました。

木造の十一面観音としては、吉野地域でもっとも古いものだとか。


調査結果だけを見ると香木の伝承はぶっ飛んでしまいますが、
いいの。伝承なんだもん。
住職さんのお話でも、この淡路島の香木のお話が出たもん。ぷぅ。


ところで。

何を見るにもぽかーっと口が開くわたくし。


「十一面観音菩薩立像」にお会いすると、つい、お顔を数えてしまいます。

ぽかーん。おほほ。


「十一面観音菩薩立像」を見ると、右手が長くなっています。
また、横から見ると前のめりになっている像もあります。

これは、より多くの衆生を救うため。


十一面観音様は一生懸命なのです。

何だか申し訳ないなぁ~。


【国宝「龍首水瓶」と比曽寺】


本堂北側。


「壇上桜」と呼ばれている山桜があります。
(晩秋で枝しかなかったので、イメージです~)

元は、十一面観音菩薩立像の前の壇上に置かれた「水瓶」に差してあった一本の桜の枝が根付いた「聖徳太子お手植えの桜」でした。

桜を差していた「水瓶」。

はくらいひんのいっぴん、でした。

が。

なんと、奈良時代に比曽寺に20年間滞在していた中国の学僧・神叡が法隆寺に移ったとき、その水瓶を持ち出してしまったのです。

こらー。だから異国の(自主規制)。

水瓶の胴部の墨書の銘「比曽丈六高一尺六寸□□」により、水瓶が比曽寺にあったことを証明しているのですが。

なんとー。

明治11年(1878)。この水瓶は法隆寺献納宝物の一つとして、法隆寺から皇室に献納されてしまいました。
現在は国宝の指定を受け、東京国立博物館の法隆寺宝物館に。


国宝「龍首水瓶(りゅうしゅすいびょう)」

高さ49.9cm、 胴径18.9cm。
ササン朝ペルシャに源流をもつ、一般に「胡瓶(こへい)」と称される形。


住職さんは、十一面観音菩薩立像の前に「龍首水瓶」が置かれた往時の姿を復元したくて関係各所に掛け合ったものの、貸出の許可が得られなかったそうです。

悲しそうでした。きゅん。


まだつづく。


参考

現地説明板(大淀町教育委員会)
世尊寺パンフレット
住職さんのお話


いつも応援いただきありがとうございます。比曽寺の十一面観音菩薩立像となったと伝わる淡路島に漂着した香木。うふふふ。淡路島の枯木神社で「どんな仏像になったのかなー?」と、わくわくした時から数年を経て、ようやく巡り会う事が出来ました。嬉しかったです。鼻の穴ひろげて、ふごー!って顔をしていたかと。住職さん、苦笑い。へへへへへ。
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No title

つねまるさん、おばんですばい

興味深くて、温泉のソファーにすわって何度も読み返しました。
礎石と仏像の関係が解りませんでしたが、まさかの流木が礎石?

奈良も勉強して行くと、楽しい一日になるのですね
日本は戦国時代から始まっていると思ってました😥

piglet01様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございま・・・温泉ですとー!?

んまっ。うらやますぃ~(*^_^*)

あー、すみません。画像がごちゃごちゃしてますね。
ちょっと整理してみましたが、あんまり変わらないわ~。

流木は仏像になりました。

奈良はねー、やっぱし神話から始まるのですわー。
お名前の長い長い神様がいて、どちらさま?と混乱しながらテクテクと散歩するのが楽しいです。

奥さん、戦国時代なんて、ついこの間ですがな。うふふ。

No title

こんにちは。

枯木神社。
『古びた祠を現在の社殿に建て替える折にご神体を数百年ぶりに開いたところ』
確かに香木!
こういうのが、どうにも惹かれるものがありますね~
見てみたい、香りを嗅ぎたい
ブッブー
聞きたいです。


万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

きっと開く前はドキドキしたと思うんです。

香木が現れたときはどんなに感激したことか、考えるだけでわくわくします。

ほんと、すごく惹かれますよね。
体験談がどこかにないかなぁ。

この枯木神社の辺りはお線香の産地で、町中を通るとほんわかと香りが漂ってくるんですよー。

お香作りの体験が出来るお店もありますの。
面白いですよー。

あ、そうそう。お香はくんくん嗅ぐのではなく、きく、のでした。
鼻を膨らませていてはお下品ですわね。おほほほ。

No title

はるばるドンブラコの香木さん^^

源氏(※漫画)に出てくる香合わせに憧れたのを思い出す^^
現代北海道にもある香道は、一支部しかないんです。
もちろん広く庶民も入会オケーなんだけど、とにかくお金がかかるので、それなりのセレブでないと続かないらしいです^^;

>「十一面観音菩薩立像」を見ると、右手が長くなっています。

罰当たりだと判ってはいるが・・・
ガンツ(漫画や映画)の戦う仏像(千手観音)のイメージが強烈で困ってるil||li _| ̄|○ il||l

すぐ影響されるミーハー(死語?)ですいません^^
ぽちぽちぽちーーー★

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

匂いの強いものって、鼻炎持ちの身にはなかなかの破壊力がありまして。
せっけんのにおいが一番アウト。くしゃみが止まらなくなります。
でも、お香は大丈夫なんですよー。

香道。

まあ、お稽古事というのは、そういうものだと思います。

お金がかかるけれど、そこに価値があると思うから続けているわけで。

何に価値を見出だすかは、人それぞれですものねー。

えーっと、で、漫画?ちょっとわからなくてごめんねー。
え。観音様が戦うの?すごいものがあるのね。びっくりー。
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古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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