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東西の三重塔の礎石を見比べてきた。世尊寺(その3)

こんにちは。


ご機嫌狛ちゃんが迎えてくれるのは


雲鷲山世尊寺。旧・比曽寺。

寺伝では推古天皇のころ、聖徳太子が草創。

出土瓦から、飛鳥時代に堂塔が建立。
奈良時代に二つの塔を備えた伽藍が整備されたと推定。


江戸時代に描かれた比曽寺。

東塔は、文禄3年(1597)豊臣秀吉により伏見城下へ移築された後、
慶長6年(1601)徳川家康により三井寺へ移築。

西塔は、寺伝では、南北朝の動乱期に焼失。

従って、古来の配置図を振り返って描いたと思われますが、

南門、中門、東西塔、金堂、講堂、弁天、鎮守、太子堂、経蔵、如意輪堂、護摩堂、鐘楼、鼓楼、食堂、東北西室、東門などが見られます。

現在の本堂(旧・講堂)の北部には、東院、西院、安居院、伝灯院、行幸院、百済院の6坊があったそうです。

(http://www7b.biglobe.ne.jp/~s_minaga/iti_miitera.htm)



山門をくぐると広い境内。向こうに見えるのは中門。

東西の塔の基礎の土台(基壇)と礎石が良く残っています。


【比曽寺の東塔】

聖徳太子が父である31代用命天皇のために建立。

その後鎌倉時代に改築されたことが礎石の一部によって知ることが出来ます。
文禄3年(1597)豊臣秀吉により伏見城下へ移築された後、慶長6年(1601)徳川家康により三井寺へ移築され、国の重要文化財として残っています。


(世尊寺現地説明板より)


東塔の礎石。

この上に


現・三井寺の三重塔が建っていたんだよー。


三井寺の三重塔から推定される、比曽寺東塔の礎石の配置。上が北。

側柱の上に塔の壁や扉、心柱はてっぺんまで通る真ん中の柱。
心柱を囲む四本の柱は、四天柱。


側柱の数は合致。


四天柱のひとつ、欠損。

minaga様の『がらくた置場』「大和比曽寺」によれば、
『大和の古塔』(黒田曻義、天理時報社、昭和18年)等の具体的な検証資料を読み比べた結果、

「戦前までは東塔心礎は北側に動かされ、四天柱礎は2個のみ残存していたが、どうやら戦後に心礎は東塔跡の中央に戻され、また欠失していた南西四天柱礎石はどこからか形状が似ている礎石が『発見』され、原位置に設置されたものと推定される。」とのこと。

上の画像「四天柱礎石の1」がそれ。


心柱の礎石には四角の跡が見られます。

柱の跡かなー。


中心の穴ぼこ、24cm。

心柱のデコちゃん部分を、礎石のボコちゃんに差して固定かな。


・・・かどっこちゃん。

えーっと。


黄色線が壁。二方向へ、デコってます。


いやいや、違うから。


かどっこ(隅)と、他の柱の礎石のデコの違い。(北西角)


黄色線が、壁。


その隣。(北東角)


側柱、上から見た。


横から見た。

とても精巧な形に加工されています。


上に乗る柱の太さを想像。面白いな~(*^^*)


西側の側柱達。うっとり。

全体の高さは、


現在の境内の地面から、2mぐらいかなー。


【比曽寺の西塔】

「寺伝では、33代推古天皇が夫の30代敏達天皇のために建立。
相次ぐ戦乱によって惜しくも『賊の手によって焼失せり』と今昔物語に記されています。」
(世尊寺現地説明板より)

お寺の住職さんのお話では、南北朝の動乱期に数々の塔頭と共に焼失したとか。


土がこんもり。土壇。


一字一石。


現存する礎石は、13個(現地説明板)。

前述のminaga様の『がらくた置場』「大和比曽寺」の検証では、東塔と異なり戦前の資料と合致するそうです。


こちらは見事に苔むしています。


心柱の礎石は、三角形。


よーくよーく目を凝らすと、柱の形が見えてきます。

中央の穴は直径24cm。丸い柱の跡の直径は60cm。


苔に覆われていますが、礎石は東塔よりも粗い感じです。

東西の三重塔の礎石の違いは、恐らく建築年代の違いによるものかと。


こちらでもまた、石を見つめてうっとりしました。



礎石の配置や形がとても面白かったです。

つづく。


世尊寺(史跡・比曽寺跡)
《住所》奈良県吉野郡大淀町比曽762




参考サイト
minaga様『がらくた置場』「大和比曽寺・近江園城寺三重塔」

こちら→→→大和比曽寺・近江園城寺三重塔

http://www7b.biglobe.ne.jp/~s_minaga/iti_miitera.htm


いつも応援いただきありがとうございます。三井寺で三重塔を見たときから、ずーっと来たかった比曽寺(現・世尊寺)。このちょこちょこと並んだ礎石の上に、あの立派な三重塔が建っていたかと思うと、感慨無量。三井寺では近寄ることが出来なかったので、柱の太さなどはよくわからず。それが礎石を見ることであれこれ想像出来ました。やっぱ現場に来なくちゃ~(*^_^*)と思ったのでした。えへへ。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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非公開コメント

No title

こんばんは~♪
西塔の礎石の方が貫録がありますね(笑)
歴史を感じさせてくれます(^_-)-☆

まり姫様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

苔むし過ぎて形は不明瞭ですが、確かに西塔の方が貫禄ありますね。

ぺろんっと苔を剥がしたくなりますが、がまん。

それにしても杭を打つことなく、こんな礎石で大きな塔を支えるのですから、日本の建築ってのはすごいもんだと思いました。

No title

つねまるさんの記事をバックデートで見せてもらいました。落書きと言われる説明が大変面白く解りやすいです。だから人気がありますね!
小生の文は「堅ぐるしくて重いと」いわれて読むのに肩がこると友人は言ってますが、自分流でしか書けないです。

世尊寺の様子が良く分かりました

つねまるさん、おはようございます。

三井寺の五重塔を見て、世尊寺にすぐ行きたくなるというのがすごいですね。探究心の旺盛さに脱帽です。

世尊寺は以前吉野方面を旅行した際に、すぐ近くを通りましたが、見るべきものが残っていないと思ってパスしてしまいました。塔の礎石などを見ると歴史を感じますね。

江戸時代の比曽寺の境内図をよく見つけましたね。私はよくminagaさんのHPを参照しますが、こんなページがありますよ。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~s_minaga/iti_miitera.htm

四方様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

堅苦しいお話のときに画像まで真面目になると、書いている本人がとても辛いので、お絵描きで息抜きです。えへへ。

いつもあたたかい励ましのコメントをありがとうございます♪
おかげで今日一日がとても楽しくなりました。

文章は、人それぞれの味わいがありますね。

はじめの頃は真面目に書いていたつもりなのですが、どうやら無理だったようで。おほほ。

四方様には四方様の味があっていいなぁと思います。

しばやん様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

お尻が軽いといいますか、思い立ったら吉日、さー、行くぞ!と、張り切って走り回っております。

特にあんな素敵な塔があったという場所ですもの。
どんなところ?どんなところ?っとワクワクしてしまいました。

大津の歴史博物館にお邪魔して、繋がったご縁でございます。
ありがとうございました。

礎石が動かされていないそうなので、境内図と見比べながら下ばかり見ておりました。

もう、ないかなぁー?っと境内をうろうろする不審者でした。おほほ。

こちらの本堂は住職さんが説明してくださいます。
学校の先生を定年までお勤めになった方で、とてもわかりやすく楽しくお話してくださいました。

心がほこほこするお人柄が伝わり、大好きになってしまいました。

昔の境内図ですが、昔見た町の文化財説明資料かなにかに掲載されていた覚えがあったので、minaga様の記事へお邪魔して探しました。

minaga様の調査と記事を拝見出来ること、ありがたいなぁと思っております。

No title

前回の引きで礎石が「よもぎもち」に見えて困る^^;
食べたひ・・・でも歯が命(`・ω・´)キリッ

ちゃんと考えて配置したり印つけてるのが現代を同じで面白いですよね^^

東西南北への拘り?みたいなのも感じるし^^

メリークリスマス★

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

くりくりめりぃ~(*^▽^)/★*☆♪

並ぶよもぎもち~ズ。

ふふふ。

上の建物がないので、柱と礎石との接地面がよく見えて、面白いです。
杭を打たずにあれだけの塔を支えるのですから、たいしたものだと。

願わくは、構造も見たいぞ、っと。

福井県にねー、スケルトンの塔があるんですよー。

お金が足りなくなって壁が作れなかったのですが、心柱が上まで通っているのがよく見えてねー。

むかーしむかし、まだカメラがフイルムだった頃に行ったんで、画像なしなのが残念無念。
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つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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