飛鳥神社と平維盛「太刀落としました」。太地町

おっとびっくり。

これでも風力発電。

さらば~地球よぉ~♪ぱららら~♪

しかし船は宇宙へ旅立たないのであった。

こんな大きな骨の

大きなほ乳類の町、太地町。

町の中心部に鎮座する飛鳥神社。
訪問したのは10月12日。
宵宮祭が10月14日、例大祭は翌15日とのことで、
お宮全体が華やいでいました。

寄水、って初めて見た。
目の前は

・・・漁協。
漁に出た船が戻って来ない時、家族親族は飛鳥神社に集まり、
夜通し火を焚いて無事を祈り続けたといいます。
太地の人が「宮様」という神社。

飛鳥神社。
【祭神】予母津事解男神(よもつことさかのおのみこと)
【由緒】(和歌山県神社庁HPより)
当社は、寛永元(1624)年8月に現新宮市熊野地に鎮まり坐す阿須賀神社より勧請。
棟札に「寛永元年子八日、太地諸衆等時の庄屋和田金右衛門」とある。
『紀伊風土記』には「飛鳥神社本社、拝殿、末社、村中浜辺にあり、村中の産土神なり云々」とあるが、それ以前より氏神が祀られていたことは、天慶5(881)年陽成天皇の頃の丁未記に「辛丑五年六日、高倉上人、氏神復興、事解男命を祭る、旧九月八日縁日」と記載されていることから、うかがうことができる。
和田氏とは、太地古式捕鯨の創始者で、太地町内に4、5千坪もある屋敷を構えていました。
阿須賀神社の主祭神は、事解男之命。

おっ。勇ましい狛犬さん。

あらやだ。

ぶたっぱな。かわいい。

うふふふ。
さて、こちらの飛鳥神社。
本殿が元禄3年10月建築の総漆塗で、太地町指定文化財なのです。
が。

・・・そぉ~お?
っと疑問で、去年は記事にせず。
今年、事実が判明。奥の建物が、覆屋でした。

ドア、オープン♪

これぞ、本殿。
例大祭前で、拝殿の扉が開かれていましたのよー。
わーい♪

元禄3年10月建築の総漆塗の本殿です。
太地古式捕鯨が盛んであった頃の繁栄が想像出来ますねぇ。

渋いです。細かいです。

黒い柱には、龍の模様。
貴重なものを拝見申しました。

飛鳥神社に伝わる社宝に「太刀落島(通称)」があります。
たちおとしました?

お隣の那智勝浦の海から補陀落渡海の名のもと、
入水するため海へ出た平維盛。

太刀落としました。
・・・維盛~(T_T)

「太刀落島(通称)」(
和歌山県神社庁HPより
長さ4尺8寸の薙刀のような太刀。
太地町沖合で、往昔海老網にかかったのを漁師が神社に奉納したと伝えられている。海水の為、相当腐蝕している。
平維盛が海中に投じた太刀であるとの説である。
『紀伊續風土記』
神殿に平維盛の大刀というのを納める。
刀身の長さ2尺、柄と合わせて3尺のものが2振りある。
目釘の所から2つに折れており、無銘。
この刀を古くから村の中で伝えてきた事は『寛文雑記』にもある。
和歌山県神社庁の解説では微妙にニュアンスが異なりますが、
飛鳥神社や太地町の伝承等をあれこれ見ると、落とした、ようです。
このように太地町でも、維盛は那智勝浦の海から入水したのではなく、
入水したと見せかけ沖合の山成島から太地の水ノ浦に渡る途中、
海中に太刀を落としたが、無事熊野の山奥へ身を隠した。
という伝承として残っているのでした。

維盛ってば、ほんとにもう。

まったく。憎めないお子です。
飛鳥神社の社宝には他に、三十六歌仙の扁額(年代作者奉納者等不詳、明治3年の暴風雨の時、散逸し26枚現存)が伝わります。

飛鳥神社の前の海。
静かな静かな町のはずなのです。
いつも応援いただきありがとうございます。飛鳥神社のお祭りは、地域の方々が大切に伝えてきたもので、獅子舞は各家を一軒一軒廻るそうです。それにしても維盛。平家物語でも伝承でも、ドジっ子というか、微妙に運がないというか。まわりの従者達は、大丈夫かしらこの子・・・と、さぞかし心配であっただろうと思うのでした。



ぽちぽちぽち、ありがとうございます。
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