浜の宮王子跡。熊野三所大神社と丹敷戸畔命

こんにちは。


とおーくに見える砂浜が、那智の浜。


日帰り温泉もある那智駅の裏側は


すぐに海。

ここから徒歩5分ほどのところに鎮座するのが、


くまのさんしょおおみわやしろ

・・・読めへんわっ。

渚宮、三所権現とも呼ばれていたお社です。


かつてはここに、浜の宮王子が鎮座。

熊野詣が盛んだった頃には、浜の宮王子とも渚宮王子、錦浦王子とも呼ばれた熊野九十九王子のひとつで、中辺路(田辺~本宮)・大辺路(海沿い)・伊勢路(熊野~伊勢)の分岐点。


那智山参拝前にはこの王子で潮垢離を行って、身を清めたといわれています。


割拝殿の形。


【由緒】
(和歌山県神社庁ホームページより引用 http://www.wakayama-jinjacho.or.jp/jdb/sys/user/GetWjtTbl.php?JinjyaNo=8010)

社殿創立については、明細帳に「上古祭場の遺跡につき、欽明天皇ノ御宇に社殿創立せしものなりと伝ふ」、『熊野年鑑』に「欽明天皇二十四(563)癸未年熊野浜ノ宮成」とあり、又、『熊野年代記』に「欽明天皇二十四(563)癸未年浜ノ宮宮殿出現」とある。

本社古伝に依れば「往古は唯祭壇のみ在り、社殿造立は前記時代を創始とす」とある。

社殿造営は、社宝の棟札によれば、慶安元(1648)年の再建と伝えられる。(引用終わり)



本殿。

祭神は、夫須美大神 家津美御子大神 速玉大神

中は三間に分かれ、三神の神像が祀られており、巾子冠を戴く男神像は家津御子、宝冠像は速玉大神、女神像は夫須美神とされています。

彦火火出見命、大山祇命、天照大神の三神が祀られていた記録もありますが、和歌山県神社庁によると、


「昭和62年1月神社庁の認可により、中央神は夫須美神、右側神は家津美御子神、左側神は速玉神となり、神社名は大神社から熊野三所大神社と改名された。」


ということで。どちら様も熊野十二所権現の方で。


なぜ縦に並べたのかしら。痛いじゃないの。


境内社。三狐神(みけつかみ)。食物の神様。


境内社。丹敷戸畔命(にしきとべのみこと)。地主の神様。

「戸畔」とは、女性の首長のこと。

丹敷戸畔命は『日本書紀』の神武天皇の東征の折の記述に登場します。


境内にある石碑。

「神武天皇は、皇子の手研耳命(たぎしみみのみこと)と進軍し、熊野荒坂津(丹敷浦)に至り、丹敷戸畔という者を誅した。そのとき神が毒気を吐いて人々を萎えさせた。このため皇軍はまた振るわなかった。」

とか。


この熊野三所大神社。

お隣さんは


補陀洛山寺。右側の木々の中に神社。

明治の神仏分離で、補陀洛山寺から神社が独立。

熊野信仰は、神道や仏教や修験道が混然一体となり発展してきた経緯がありますが、明治の神仏分離・廃仏毀釈により、熊野でも多くの寺院が排され、神道化。
その中で、神仏習合の名残を見ることができる点が面白いです。

そして、補陀洛山寺といえば。



補陀洛渡海の出発地なのです。


続く。


過去にこんな記事を書きました。

◇神武天皇の東征と抵抗する戸畔のお話
祭神すら怪しげな、名草神社
http://rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-457.html

◇三狐神ってどちら様で?
みけつかみへ怨敵退散祈願。三狐神と茶吉尼天、シュールな出会い
http://rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-238.html

◇↑があるのは、熊野速玉大社の境外摂社の阿須賀神社
阿須賀神社と大威徳明王。狛犬はネックレスでおめかし。
http://rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-237.html

◇熊野詣に四苦八苦したお話
「後鳥羽院熊野御幸記」藤原定家へろへろ日記
http://rekitabi4.blog.fc2.com/blog-entry-467.html



参考文献
『熊野検定テキストブック』(編集・発行/田辺商工会議所)
和歌山県神社庁ホームページ http://www.wakayama-jinjacho.or.jp/jdb/sys/user/GetWjtTbl.php?JinjyaNo=8010


いつも応援いただきありがとうございます。那智駅の敷地内には道の駅と、日帰り温泉があります。その名も「丹敷(にしき)の湯」。神武天皇に抵抗した女性の首長の名前です。那智大社へ行く前に、ここで潮垢離ならぬ湯垢離を行って身を清めてはどーお?と観光案内にありました。いやぁ、出来たら帰りに汗を流したいですなぁ。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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No title

私のブログ「狛犬365日(旧:老人と狛犬)」にリンクさせて頂きました。

No title

おはようございます、kotodayoriです。
いつもお世話になっています。

熊野三山・熊野古道の話、楽しみに読ませていただいています。歩いて集めた詳しいお話、おもしろいですね。
私は、もう10年以上前に車で有名どころだけ駆け足で巡りましたが、じっくり訪問したくなりました。

また、歴史・紀行と、いろいろと紹介よろしくお願いします。

No title

こんにちは~♪
今年も半分が過ぎ後半に突入しました。
また笑って楽しめる狛犬さんを披露してくださいねσ(゚ー^*)

奥飛騨独居老人様

こんにちは。ようこそいらっしゃいませ。お待ちしておりましたー。

全国の狛犬さんに特化された記事を拝見するにつけ、狛犬世界の奥深さに夢中でございます。
すごいなぁ、全国の狛犬さんに会われたんだなーと、羨ましくて仕方がないです。

リンクの件、ありがとうございます。
拙い記事ではございますが、末永くおつきあい賜りますようよろしくお願い申し上げます。

kotodayori様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

七月ですね。祇園さんですね。うふふ。


関西からでも、熊野は遠いですね。
阪和道で行くには道中が惜しくて、(168号線は狭いので)169号線で熊野市に出るのが定番。

運転が下手くそなので、半日かかりますの。

kotodayori様の目線の熊野を拝見したいなぁ。
さぞかし優しくて美しい景色なのでしょうね。

気絶するほど遠い熊野ですが、上皇方の熊野御幸のおかげで、京都とも密接に関わっており、比較的身近に感じます。

通えば通うほどもっと知りたくなって、気がつけばまたお宿を予約。
不思議な熊野です。

kotodayori様の若葉から深緑に変わりつつある京都のお話、今度はどこかしら?と楽しみにしております。

いつもご丁寧にありがとうございます。

まり姫様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

あらまぁ、ご丁寧にすみません。
笑ってる狛犬さんはまだ倉庫で熟睡中で。あああ、会いたいなー。引き出したいなー。

今しばらく、熊野におつきあい下さいませ。

No title

縦並べ・・・足裏マッサージとか、ツボ部分に突起があるサンダルが浮かんだ^^
毎日、裸足で数メートルでも歩いてたら、内科系が丈夫になりそう^^

>丹敷(にしき)の湯

丹の字を使うって事は、実は温泉の色が「丹色」だったりして^^

ぽちぽちぽちーーー☆

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

健康サンダルってやつかしら?

これを履いて近所へお買い物に行くと卒倒しそうになる、魔法のサンダル。
嗚呼、不健康な日々よ。

丹。色だけならいいけど、成分まで丹だったら、たいへんよー。

丹生の名のつくお社巡りと奥吉野のお社巡りしてたら山道ばかり走るので、愛車はタッチペンの修正だらけになってしまいました。
絶対売れない。買ってもらえなーい。

落ちるより、擦れ、が、合言葉です。るるるーん。
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つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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