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火生三昧。日本初の焼身往生。妙法山阿弥陀寺

こんにちは。


絶景を眺めつつたどり着くのは


人は亡くなるとここへ鐘をつきに来る。「亡者のひとつ鐘」。


妙法山阿弥陀寺。

実は境内の一部が忠度のお話の回で登場済みでして。


妙法山阿弥陀寺境内の、弘法大師堂。


室町時代、1509(永正6)年建築のお堂。

弘法大師42歳の時の姿(厄除け大師)と伝わる等身大の坐像が祀られています。


忠度も、鐘をついたのかな。

さて。

弘法大師堂からほど近くにあるこちら。


唐から来朝した応照上人の火定三昧(かじょうさんまい)跡。

火生とは、生きながら己の身を焼き浄土へ往生しようとする行為・焚(焼)身のこと。

『本朝法華験記』(平安末期、法華経行者の善事をまとめた著書)によれば。


法華経の行者・那智山の沙門の応照上人は、仏道の究極を極めようとして山林樹下に住し、人事雑事を避け、法華経を繰りかえし読んでいた。

薬王品にいう「喜見菩薩(薬王菩薩)が己の身を灼いた」という薬王の姿に感動、共鳴。

これは、全てのの衆生の罪咎を一身に負い、火をもって自らの体を焼き尽くす薬王の姿を表したもの。

上人は決断。

「そうだ。自分も菩薩の如く焚身して仏に供養しよう」


焚身と焼身自殺は違います。多分。


五穀・塩・甘味を断ち、松葉を噛んで食事とし、雨水を呑み、心身共に清浄に保って焚身に備え。

紙衣を着て、香炉を手に、西方を臨んで

「この身をもって法華経に供養し、頭は上方の諸仏に供養し、足は下方の世尊に捧げ奉る」

と唱え、口に法華経を誦し、火を付ける。



上人の身体が火に包まれても読経の声は穏やかで絶えず、
辺りにはまばゆいほどの光が残り、山野を照らした。

鳥が数百羽集まって来て声を合わせて回りを鳴き飛んでいた。


煙は三日三晩熊野灘を漂い続けた。

これが、日本最初の焼身往生。



応照上人の行いは自分の為ではなく、我が身を蝋燭のように心身共に仏に捧げることで、衆生の罪過を償おうとした「利他行」であると。

ここ、大事。



うーむ。そこまでしていただくと、正直、困ってしまうのです。



参考文献
『熊野検定テキストブック』(編集・発行/田辺商工会議所)
「妙法山阿弥陀寺ホームページ」http://www.za.ztv.ne.jp/yominokuni/myohozan.htm

いつも応援いただきありがとうございます。今も護摩焚きの後などに修験者が行っている火渡りも、火生三昧の形だとか。しかし、応照上人のものは、苛烈ですねぇ。ここに至る思考回路はわからないです。ほほーっと現地でお参りしつつ、上人がそこまでして救おうとした衆生ですが、その後も懲りずに罪を繰り返してますよ、と申し訳無い心地になるのでした。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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悟りでも開かれますか

だんだん「わけわかぞう」な世界に入り込んでおりますなあー、感心感心(笑)

即身仏ってのは何度か聞いた事がありますが焚身というのは初めて知りました。
自分の煩悩すら何一つ解脱出来ないのに、他者のために身を焦がすとは神々しい究極の荒行でございましょうか。

その昔「フランシーヌの場合は」という反戦活動家の哀れな焼身自殺を題材にした実話の歌が流行りましたが、全く次元の違う崇高なお話ですネ。

らんまるせんせ

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
呑みたいときに、呑む。そんな悟りの境地に至っております。

今日の大阪は秋のような爽やかな1日。
家事に追われつつ、合間には、のみものを。びば、お休みの日。

平家物語でるるるん♪っとしていたのに、何故でしょう。
わけわかめちゃんの世界に片足が。どぷん。

インドで抗議の焚身を行った僧がいましたが、あれは衆生救済ではないと、どこぞのお坊さんがおっしゃってたので、焼身自殺との違いは注意しないといけないぞと思って気を付けてはおりますが、ほんのりお伝えできたでしょうか。

熊野は熊野三山と熊野古道の素晴らしさが盛んに宣伝されておりますが、上皇達の熊野御幸の頃の神仏が混合した世界観を知らなくては、ただのハイキングになってしまうなぁと思うのです。

急峻な山々、すぐに熊野灘が迫る熊野の土地。
文句なしに、とても素晴らしいところです。

そして、大好物な時代と登場人物達に振り回されております。ふふ。

No title

わあ・・・・
これは凄いことだわ。
火生三昧、と言えば聞こえは良いけど、焼身自殺よね。
見ている方もトラウマになりそう。
それにしても、この場所、見ただけで何かが漂っている感じがしますね。
応照上人の壮烈な死の残照ですかねぇ。

No title

つねまるさん、こんばんわ~♪

絶景かな、絶景ですばい!
素晴らしい眺望ですね☆

弘法太子の修行の地ですか。
険しい山道を上がるのでしょうね。確か、台風で道も閉ざされて
しまった報を聞いた気がします。

心頭滅却の世界は恐いです><

途中までは・・・

事前準備?が即身仏と同じ感じですね^^;

そういえば恵林寺の「心頭滅却・・」の方も、死に臨んで焚身の境地だったのであろうか・・・

神妙な心地になりました。
ぽちぽちぽちーーー☆

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

ざくっと言ってしまえば、確かに焼身自殺ですね。
本人さんはいいけれど、周りはさぞかしドン引きしたことかと。
ありがたいような、そうでもないような。

普段は、あら、これはなにかしら~?っと、ざっくざっくと進むのですが、なーんだか近寄ったらいかんような雰囲気で。

ズームです。

熊野山中には、とある僧が、骸骨になっても、舌だけは生きており、法華経を唱えていたというお話もありまして。

この場所は妙法山であろうと推定されています。

なかなか、の場所でございます。

piglet01様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

絶景かな絶景かな。

晴天だったので、ここへ行って正解でした。
おっしゃる通り、四年前の大水害で山が崩れ(山が落ちた)、昨年ようやく開通しました。

弘法大師堂があり、弘法大師の立ち寄り伝承もあるのですが、検証するとここに来た記録はないようです。
女性の参拝を拒まなかったことから「女人高野」と呼んだ場合もあり、そこから弘法大師の話が出来たとか。

心頭滅却しても、夏の暑さは耐えられませんねぇ。

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

身を清める作法が共通なんでしょうね。
見苦しいことがないように。

修験者の火渡りなども、同じ火生三昧だというのですが、こちらのはまぁ、ものすごい意思がないと出来ませんでしょうけど。

うーむ。

正直、何でそこまでしないといかんのか、わからないです。
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つねまる

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古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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