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神仏習合と両部神道

こんにちは。

但馬妙見日光院【第21回】

まだやっとります。すみません、私、しつこいんです。


兵庫県養父市の名草神社。

以下、兵庫県神社庁より引用 http://www.hyogo-jinjacho.com/data/6324001.html)

【祭神】名草彦命  ナグサヒコノミコト

【配祀神】日本武尊・天御中主神・御祖神・高皇産靈神・比売神・神皇産霊神

【由緒】続き

延喜式の制小社に列し、中古社運隆盛を極め仏者に習合して真言帝釈寺当社の別当となり、祭神中に天御中主神あるによりて7座の祭神を北辰7星に象りて両部神道を構成し、社名を妙見宮と改め、真言特有の加持祈祷を以て信仰を得る。

(引用終わり)


【神仏習合とは】

「神仏分離までは神仏習合であった」という言葉には、お社巡りをしていると頻繁に出会いますが。

「神仏習合」って、なんだー?


これは、「神仏分離」。一緒にいたものを、ぱかっと分けた。

では、分ける前は?


仲良しこよしが「神仏習合」?

「神仏習合とは、文字の通り『神と仏が習ね(かさね)合わさる』ということ。

日本に仏教が伝来して以来、日本の神と仏教の仏が交わり融合していった状況を言います。

例えば八幡神という神が、八幡大菩薩という仏として信仰されたり、天照大神と大日如来が同体として信仰されたことなどでしょう。

しかしながら、平安時代以降、一般庶民は神も仏も区別無く手を合わせていたと考えられます。」
(以上、日光院HPより引用)

神仏習合とは、衆生救済の為に、「神が仏の姿を借りて」(本地垂迹)或は「仏が神の姿を借りて」(反本地垂迹)現れるというもの。


自身で調べた熊野三山で述べると。


【熊野権現信仰って、なんだー?】のコーナー。ぱふー。


(熊野速玉大社)

熊野三山は奈良時代に起きた神仏習合の流布に伴いこれを受容。
衆生の苦しみや病を癒し、過去世の業を救い現世安穏の御加護を垂れ、来世(浄土)に導いて下さる神仏のいる常世、それが熊野三山である、と。

三山三世信仰とも呼ばれます。
本宮・速玉・那智の三山。過去・現世・来世の三世。

古来より「滅罪と人生の甦り」を求めて多くの人々の信仰を集めた由縁です。



《熊野本宮大社》
家都御子神(けつみこのかみ)または家都美御子神
阿弥陀如来
西方極楽浄土

《熊野速玉大社》
熊野速玉男神(くまのはやたまおのかみ)または速玉神
薬師如来
東方浄瑠璃浄土

《熊野那智大社》
熊野牟須美神(くまのむすみのかみ)または夫須美神
千手観音
南方補陀落浄土


このように、神仏習合するには必ずペアとなる神と仏があります。

他のお社の解説に安易に「神仏習合」とある場合は、何があったのかなー?もしかして、神仏分離?っと疑問に思うことも、また一興。


前々回述べたように、名草彦命は和歌山県の名草邑の氏族の神であり、妙見さんとは何ら関わりはなく、神仏習合するものではありません。

また、神道において「妙見大菩薩」と同体の神といえば「鎮宅霊符神」。「鎮宅霊符神」とは、いわゆる土御門神社(陰陽道)のご神体。
もはや、名草神社の由緒については、「訳がわかりません」。


【両部神道】


金剛界曼荼羅(wikipediaより)


胎蔵界曼荼羅(wikipediaより)

真言密教では金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅という、密教の宇宙観を図に示した「曼荼羅」を教えの中心に説いています。

この両部曼荼羅に書かれている「仏」に「神道の神様」を当てはめた真言宗の神道を両部神道といいます。
※「唯一神道名法要集」(「唯一神道名法要集」by 卜部神道の吉田兼倶)が初出(1500年代)。

難しい教義を省略して、結論。

「金剛界、胎蔵界の両部曼荼羅に妙見大菩薩は描かれていません。」(日光院HPより引用 http://www.tajimamyouken.com/page/index.php?mode=detail&page_id=2b6fe2cfd79ee666231a5aae437426c0)

つまり、「両部神道」の概念では単純に「妙見信仰」を説明することができない、と「高野山真言宗・但馬妙見日光院」自らが述べています。(同上)


【「神仏習合」と「両部神道」】

「金剛界、胎蔵界の両部曼荼羅に妙見大菩薩は描かれていません。」ので、妙見信仰の妙見大菩薩と天御中主神とが同体である(神仏習合である)とはそもそもあり得ないお話なので、


こうなりますわな。


【七つの祭神】



【祭神】名草彦命  ナグサヒコノミコト

【配祀神】日本武尊・天御中主神・御祖神・高皇産靈神・比売神・神皇産霊神

なぜ、わざわざ七つの祭神なのか。

これについては、「日本の塔婆」http://www.d1.dion.ne.jp/~s_minaga/iti_tajima_myoken.htm
において、本殿の構造から考察されています。


まず、日光院の本殿の間取りとして、七つのお部屋がありました。

なぜ七つかといえば、日光院が山を下りる時に

「石原に下ったのは9月5日であった。この日、九鹿村から奥の小佐谷中は各1戸から1人づつ出役し、午前5時に山上に集合し、妙見七尊体はじめ仏像・仏具・石地蔵・経典などと担ぎ、午前10時には担ぎ終り、大護摩が焚かれた。午後には説教があり、多くの信者が聞き入った」(「但馬史 5」)

とあるように、名草神社を鎮座させる前の本殿、即ち「元・日光院本殿」には「妙見七尊体」が祀られていたのです。


それに符合させるために、七つの祭神が鎮座した。そんな感じ。


以上の事から、名草神社の由緒にある「仏者に習合して真言帝釈寺当社の別当となり、祭神中に天御中主神あるによりて7座の祭神を北辰7星に象りて両部神道を構成し」は、根本からひっくり返ってしまうのです。

細かく検証するまでもなく、あくまでも明治の神仏分離の流れのなかで行われた政策により、無理矢理「式内社名草神社」を鎮座させたわけですから、様々な点で矛盾が生じてしまったのですね。









せっかく素敵な社殿なのに、もったいないことです。


いつも応援いただきありがとうございます。さて、名草神社の祭神・由緒が如何に怪しげなものかという事をつらつらと述べて参りましたが、「新しい名草神社」を鎮座させました、と言えば済むことなのに、結局、それを行わなかった。この事が今もしこりとなって残っています。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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非公開コメント

No title

こんにちは。お邪魔します。
ううッ ただただアホヅラして毎日拝読させていただいております<m(__)m>
無理やりの政策に翻弄された神社さん、、と解釈して合ってますか~💦
日光院さんのせっかくの素晴らしい社殿や彫刻、狛犬さん方 歴史の財産として大切に保存してゆきたいですね。 

No title

根を詰めて見てたら、九曜紋がレンコンに見えてきた・・・(@▽@)アヒャヒャ

>「神仏習合とは、文字の通り『神と仏が習ね(かさね)合わさる』ということ。

(-ω-;)ウーム
自分の中では「カードの裏表」みたいな捉え方だったんですが、もっとう・・・混ざり合った感じ?

ミルフィーユかバームクーヘンみたいな・・・
って、喩えが食べ物しか浮かばない時点でダメな感が・・・・ゲフゴホ

すいません。
自分も「狛ちゃ可愛い!、それで(・∀・)イイ!」仲間に入らせてください~~~~・゜・(PД`q。)・゜・キャパガカパカパ

ぽちぽちぽちーーーー☆

おきまちあき様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。すみません、自分の世界に入っておりまして。恥ずかしい。

いーえいーえ。アホヅラだなんて。
書いてるこっちの方が、「はて?」「さて?」とアホヅラですもの。

合ってますかー?と言われたら、えーっと、(ノ_・,)ザンネン
翻弄されたのは、お寺の日光院さんでした(。´Д⊂)オシイ!

ととと、とりあえず、ここまでは書いちゃおう、と、あたふたしてたので、ご訪問もそこそこで読み逃げしててごめんなさい。

動物ちゃん達が楽しく過ごせる環境を維持することはとても費用がかかる大変な事だと思います。
仰る通り、歴史の財産として大切に保存したいものですね。

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

あひゃ。レンコンー?レンコンは、鳴門市よー。一面レンコン畑なのよー。道路脇の無料販売に、レンコンが並ぶのよー。

「神仏習合」、画像の色で表現してみたんですよー。
お寺と神社が混ざってピンク、分離して赤と白。・・・マニアックでわからんて。

裏表というより、神が仏に、仏が神に、化けて衆生の前に出た。

君は光、僕は影。オスカール。
黒毛と白馬が結婚して、シマウマが生まれた。いえーい。

・・・?

教義の話になるので、宗派によって答えが異なるため、よくわからんです。わからないようになってるのが教義だと思いますのよ。

かわいいこまちゃんを探して放浪するのが、いっちばーん\(^_^)/
さあ、一緒に行こうぜいっ(o^-^o)コマチャワールド♪

し、失礼いたしました~

こんにちは。
ぎゃ~~~~!! アホ丸出しのコメント入れてしまいました💦💦💦
申し訳ございませんでした~~~
日光院さんがお寺さんなの当たり前ですよね💦
あろうことか神社さんと書いとりました~~
ほんとお恥ずかしい限りでございます。。
穴があったら昨日の弊コメントぶち込みたい!!お優しい返コメ頂戴し恐縮でございます<m(__)m> あまりに恥ずかしいのでこちらの方にコメ入れさせていただきました。。。

おきまちあき様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

弊社に穴はございません。
あるのは、銘柄ごとに設置致しました「お酒の棚、めっちゃでかい」でございます。
今夜は、三岳のロックで乾杯。

もりゾーちん様。好き。なので。

いやぁん。そんなこと言わないでー!!神社もお寺も仲良しこよしなのが日本のいいとこなんだからー。

それに、おきまちあき様宅は、私の立ち飲み処。むふふふん。
旬のアテとか、知らない酒とか、常備されててうまうまなのだ。ふふふふ。
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つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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