中井権次一統の彫刻いずこ。彫りの深い美形探してます

ごきげんよう

京都府綾部市の篠田神社。第3日目。

筍神事のたけのこにょきにょき。
ふっふっふ。

でたー。

まだおったー。

歯のひとつひとつもはっきりしてます。

にらまれちゃった。

うらやましい。

龍さん、はみ出ています。

おくちの中まで見えますわよ。

うっす。

見てほしいくせにぃ~。

うっとりします。

・・・鳳凰かなぁ。
たけにょこにょきにょきに小躍りして、拝殿の彫刻の銘板を探すのを忘れ。
これは誰の作品なのかなぁと悶々としております。
というのも、丹波・丹後・播磨の寺社をうろちょろすると、社殿の華麗な彫刻に出会うことが度々ありまして。

いらんっ。
玉手箱といえば、浦嶋太郎。ここは丹後半島の

浦嶋神社。これは拝殿。

みので編んだかめかめ。

拝殿の彫刻に注目。

江戸時代から昭和にかけて活躍した兵庫県丹波市柏原(かいばら)の彫刻師、「中井権次(ごんじ)」一統。
初代中井正清は宮大工の棟梁として中井一統を率いて柏原八幡社の造営等に携わり、徳川家康に仕え、江戸幕府の京都大工頭の地位にあった名工です。
法隆寺の修理 ・江戸城・日光東照宮・大坂城の築城等にも関わりました。

初代から3代目までは大工職でしたが、4代目からは彫刻師を名乗ります。

彫刻師として活動したのは1700年代中頃から昭和初めの4~9代目。
主に中井権次(言次)を名乗り、丹波・但馬・丹後などの寺社の山門や本殿の破風に、迫力ある龍など霊獣の飾り彫刻を残しました。
「西の左甚五郎」と賞賛される見事な彫刻。
6代目中井喜一郎のとき丹後宮津に移転しますが、丹波柏原の彫刻師「中井権次(言次)」の作品は数々の寺社を飾り続けました。
柏原(かいばら)といえば、美形狛犬(だけじゃないけど)の石工、丹波佐吉が居たところでもあります。

浦嶋神社の拝殿は四方ぐるりと中井権次の彫刻が施されていて、見ていて飽きません。
丹後半島は遠いわー、という方には京都府福知山市の大原神社。

産屋で知られる「おはらざし」の神社。
過去記事はこちら→→→
絵馬が豊かな大原神社。京都府福知山市。
神秘の蛇のヒゲがある大原神社は彫刻ぶらぼー。京都府福知山市。
命を生み出す「産屋」の残る大原神社。京都府福知山市。
ありがたいことに、実は弊記事中でこの「大原神社」「産屋」が検索ワードで継続的に多いのです。

拝殿の彫刻が、中井権次一統の作。素晴らしい龍がいます。

これじゃない。

退治されかけて逃亡中におひげを落っことした龍の伝説がある大原神社。

ぱっと見た瞬間、こりゃすごいぜっと思う彫刻です。



大原神社は水軍で有名な九鬼さんが綾部に転封となり、再建したお社です。現在は綾部市のお隣の福知山市が住所になります。
綾部市には現在、国宝仁王門のある光明寺の本堂含め6棟の建築物に中井一統の彫刻が確認されています。
中井権次一統の彫刻については、柏原市の研究家と中井家の方が作品を探して記録に残している最中で、その数200以上。
素敵な彫刻を見つけて、じいーーーーっと見上げてにやにやするのも、丹波や丹後地方の寺社巡りの楽しみのヒトツなのです。
うひひひ。

あ。しまった。
篠田神社
《住所》京都府綾部市篠田町宮ノ下6-1
参考文献
大原神社・浦嶋神社各現地説明板
いつも応援いただきありがとうございます。神社仏閣の建築に欠かせない「彫物師」ですが、残念なことに廃仏毀釈のあおりをまともに受け新たな中井一統のお仕事は昭和でお納めになっているようです。それはそれは見事な作品の数々、様々な方が追いかけて記録に残しているので、ぜひ検索してみて下さいませ。



ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
- 関連記事
-
-
株荒神。株ってなんなの?おいしいの?
-
火事が続出。さあ皆で秋葉神社の万年講。八坂神社
-
情報求む。なぜ杵が本殿を飾るの?綾部市の八坂神社
-
四道将軍丹波道主命の玖賀耳討伐。毒を治癒の八坂神社
-
上杉氏本貫地の綾部市上杉町。八坂神社の狛犬さん
-
篠田神社。本殿は室町時代の式内社
-
筍も茗荷も神事は生で。
-
中井権次一統の彫刻いずこ。彫りの深い美形探してます
-
筍神事で般若心経。たけのこほっくり篠田神社
-
穏やか大型犬狛犬。丹波国何鹿郡式内社の篠田神社
-
愛宕神社。建物をまもる神様四柱に会いました
-
阿須須岐神社の茗荷神事。志賀の七不思議
-
正月太りのお狐くん。ちょいと一息よっこいしょ。
-
丹波猿楽と梅若家と翁面。盛り沢山な阿須須岐神社祭礼
-
百射の神事。金的的中まで始まんない阿須須岐神社祭礼
-