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筍神事で般若心経。たけのこほっくり篠田神社

ごきげんよう。


ちんまり座る大型犬。


京都府綾部市の篠田神社。

氏子は篠田・別所・向田の三町区。


拝殿は彫刻がいっぱい。


たけのこ。


何でしょう。


たけにょこ。


篠田神社と式内社を争った阿須須岐神社では茗荷三昧でしたねー。


茗荷(みょうが)。


茗荷田。


茗荷(みょうが)の芽。


茗荷。筍。どこかで聞いたような?

これだ。


【志賀の七不思議】

『神社仏閣七不思議縁起』(18世紀中頃)

崇俊天皇の時に麻呂子親王が大江山の凶賊を退治するため何鹿郡に来た折りに、志賀郷に篠田神社や願成寺等を勧請開山、七仏薬師を安置。
親王の千日祈願に応じて、神仏は様々な奇瑞を見せます。

正月
朔日 藤波神社に藤の花が咲く
二日 別所の御用柳坪に七色柳の花が咲く
   (あるいは、諏訪神社の御用柿が正月六日に七色になる)
三日 金言大明神に茗荷を生ず。作物の吉凶をしめす
四日 篠田大明神にを生ず。作物の吉凶をしめす
五日 若宮大権現の社前に萩の花が咲く。耕作の豊凶をしめす
六日 向田・鍋倉にある滴松より雨の如く滴りが落ち、日柄・水難をしめす
七日 向田・松の下にある動(ゆるぎ)松の葉の動く場所で都の吉凶を知らせる

七不思議の多くは、日本各地で行われている、農作物の豊凶を占う「年占い」。

その七不思議のうち、今も残るのは、金言大明神(阿須須岐神社)の茗荷神事と、篠田大明神(篠田神社)の筍神事。



ここ、篠田神社は筍神事が行われるお社なのです。


【筍神事。「たけのこさん」】

例年2月4日(旧暦の正月4日)に「筍」の神事が行われています。


神輿庫かな。

氏子は篠田・別所・向田の三町区ですが、神事を行う祢宜は、篠田町内の上・下・深山の三組から順番に選びます。



祢宜の選出から神事は始まっています。(以下、『綾部市史』より引用。)

「祢宜は4人で、当番の組のうち女ばかりの家や不幸のあった家を除いて、氏子の中から選ぶ。その方法は12月4日のお講の日に、一人一人の氏子の名を記した小さい紙を1cm角ぐらいに折りたたみ、三宝にのせて神前に供え般若心経をあげる。

そして前年の祢宜一人が、一心に祈りながら扇子で三宝の上1cmほどのところをなでると、名前をかいた紙が扇子に吸いついてくる。

それを神前の段下に待つ氏子のところまで、そのまま静かに運ぶ。そこで氏子の手に落とし、開いて氏子の名をよみ、一人の祢宜がきまる。これを四回くりかえして四人の祢宜を選びだすのである。この選び方は神聖であって、選ばれた人は祢宜を必ずひきうけるという。

祢宜の交代は選ばれたその日、すなわち12月4日である。祢宜はそれより一年間、篠田神社とその他の村中の神社の守りをするのである。」(以上、引用終わり)


神事の中で、般若心経をあげるのですね。面白いな。




祢宜は1月31日より籠り堂に入り、別火になり、精進潔斎をします。

かつては1日3回、別所(氏子地区)から流れる小川に素裸で入り心経一巻をあげる行をとっていましたが、現在は小川に入るのはやめ、心経をあげるのみになっています。(現地案内板より)

ここでも、般若心経。


拝殿と本殿の背後を見ると、たけのこの里。


「御ミノシベ」といわれる竹林。



神事当日の午前0時。いよいよ始まります。


ロールケーキではありません。御ミノシベです。

4人の祢宜は提灯の明かりを頼りに御ミノシベの玉垣の中に入り、木のスキで筍を探します。


見つかると、白札を立てておきます。

見つけた順に、早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)と定められ、3本見つかる(頂く、と称する)と太鼓で村中に知らせます。


参詣する人々は玉垣の中の筍を見て、各人が自分で豊凶の判断をします。

「高いところにあれば水が少ない、低いところにあれば水は多い。筍が寝ていれば風が吹く、東の方にあれば作柄がよく、乾(いぬい)が方面にあればよくないという。」(『綾部市史』より)


午前11時半頃より二人の祢宜が3本の筍をお刈り上げ。


根をつけたまま丁寧に。


筍は、神前に供えられた後、拝殿の前の「竹の子の小宮」に並べて飾られます。

改めて参拝者は、筍の出た位置、地形の高低、筍の形状、色合い等を見て、今年の稲の豊凶、病害虫や風水害等を自分で占い、稲の植え付け時期や品種を決めるのです。

この「自分で」という点も面白いです。



この神事には参詣者が多く、『綾部市史』によれば「近村はもちろんのこと舞鶴・豊岡・若狭からの参拝者があり、与謝郡には篠田講があって、毎年代参がある」とか。


(クリックで拡大)現地説明板。


御ミノシベ(御宝田)の門扉のたけのこさん。

たけのこにょきにょきの篠田神社でした。つづく。


篠田神社
《住所》京都府綾部市篠田町宮ノ下6-1



参考文献『綾部市史』

本日のおやつ
『たけのこの里』など

いつも応援いただきありがとうございます。志賀郷の七不思議のひとつ、筍はこちらの篠田神社でした。境内のあちこちに筍があって、かわいいです。篠田神社の氏子の皆様が神事もお社もとても大切に守り続けている事が、境内に立つととても伝わってきます。気持ちのいいお社です。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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非公開コメント

おもしろ~い

こんにちは^^

初コメントです。
いつも頂くばかりで、ごめんなさい。

筍神事、面白いですね。
神社で般若心境を読むのも面白いし。

日本全国で神社ごとに独特の神寺が残っているのは楽しいですね。
ぜひ、継承していってもらいたいと思います。

ここは素敵な彫刻の本殿ですね。
ああ、丹波にも行きたい~~~
良い所、いっぱいありますものねぇ。

こんにちは!

つねまるさま、こんにちは。
ロールケーキじゃなかった
御ミノシベが、めっちゃおもしろかったです♪
もー、ステキだわ~~

たけのこに茗荷、いやはや
こんな風に、、、興味深いです。

門扉のたけのこさんが、最中にみえて
仕方ありません。←どんだけ私、食いしん坊なの?w

No title

篠田神社の記事を書いて頂いてありがとうございます!
2013年2月4日の取材記事は下記をクリックして、見て下さい!
http://star.ap.teacup.com/ayabebunnkazai/1613.html

No title

こんばんは。

そろそろ筍のおいしい季節になりますね。

それにしても、彫刻が素晴らしいですね。筍が描かれれてゐるのは珍しい。

お社に行つてかういふ彫刻などを見るのも楽しいですよね。

No title

こんばんは。

『前年の祢宜一人が、一心に祈りながら扇子で三宝の上1cmほどのところをなでると、名前をかいた紙が扇子に吸いついてくる。それを神前の段下に待つ氏子のところまで、そのまま静かに運ぶ。そこで氏子の手に落とし、開いて氏子の名をよみ、一人の祢宜がきまる』

これ、読んでいるだけで色々心配になります。
果たして紙は吸い付いて来るのか?
氏子さんの所に運ぶまでに落ちたりしないのか?
もし落ちたら、最初からやり直すのか・・・
見てみたいものですね。

ロールケーキ(じゃない、御ミノシベ) すごく分かりやすいです(笑)
このアイディアに脱帽!!

No title

つねまるさーん、ごきげんよ~♪

見事な彫が竹の子だったとは、驚きですばい(^^)/

竹やぶから採れたのは、「きのこの山・たけのこの里」ですか(^_^)

聖域ですから、真面目な竹やぶなのでしょうね!

No title

あらためて見てみると茗荷と筍の彫刻しっくりと馴染んでますね。
始めてみるので楽しいデザインにみえちゃいますし・・・
茗荷田は山葵やクレソンの畑のようです。

じゅみーcoco様

こんにちは。いつも厚かましくお邪魔しておりますが、じゅみーcoco様と楽しくお話させていただき感謝です。そして。

ようこそ、いらっしゃいませ~(≧∇≦)ウヒャ♪

神事で般若心経。何の違和感もなく行っていたところが、日本の本来の姿なのでしょうね。

綾部市は現在も祭礼を大切に伝えようとする意識がとても高い地域で、官民一体となって保存活動をされています。

ご存じの通り、丹波は面白いですよー。三重県や滋賀県とはまた趣が異なるお社がわっさわさ。

お姉さまなら、1日で10ヵ所ぐらい行ってしまわれるのではないかと。おほほほ。

高速も延びたので、行きやすくなりました。

京都縦貫道で入って舞鶴道で出る(逆もあり♪)など、便利です。
綾部から舞鶴は遠くはないので、自衛隊の艦船見学等も面白いですよ。
舞鶴から敦賀への高速も繋がったので、これは重宝。

それから、秋の丹波の黒豆の枝豆は、絶品です。味が濃い~ぃし、大きいし。

大型犬狛犬さん達がお待ちしてますよ。まだかしら?まだかしら?っと。おほほ。

ゆず様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

ふっふっふ。やってしまいました。

だってたけのこ掘りの場面なんて在庫にないんですもの(ノ_<。)キュウ

ゆず様のあたたかい懐へ、ぽーんっと飛び込みたい気分でございます。
さぁ、受け止めてっ。

湯立て神事等は散見致しますが、旧暦正月という、みんなが地面の下で静かに眠っている時期にほっくり返すのが面白いなぁと。
たけのこたけのこと連呼しておりますが、この時期のたけのこはまだ鉛筆ぐらい。

探す祢宜さんの苦労はいかばかりかと。しかも今の暦で節分。いっちゃんさぶい時期でしょー。そうでしょー。

雪を掻き分けて探す時もあろうかと思います。祢宜さん、白い単の着物に同じ白の袴姿。手袋もなしで、ほっくりほっくり。

あ、もなか、だー(≧∇≦)ソウヤ♪

なんかに似てるけど何だろう?ってもやもやしてたんです。
食いしん坊ゆず様、LOVE♪

四方様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

記事、拝見させていただきました。ありがとうございます。
改めて記事内にリンクさせていただきたく存じますので、よろしくお願い申し上げます。
四方様方のご活動、綾部市散策の参考にとても重宝しております。

祭礼のご報告記事、動画も満載で興味深く、さてどれから行こうかなとわくわくします。
皆様が大切にされているお社の数々、何だか面白そうだな、行ってみたいな、とブログを見てくださる方々に少しでも伝わればいいのですが。

橘右近大夫様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

いつも訪れるのが長岡京市。無論、目当てはたけにょこ。やはり刺身か焼きがうまうまですよねー。

あかん。押し掛けたくなります。たけのこー!!

はい。この彫刻はオーダーメイドかと思いますの。
古くからの社寺の「彫物」に既製品はないとはいえ、綿密な打合せの上でこの彫刻をデザインした彫物師さんに拍手喝采ですね。

丹波から丹後は、彫物師中井権次一統の作品の数々を拝見出来るので、とても楽しいです。

こつこつと片道100kmを走る阿呆は何か楽しいものがあればホクホクなのです。へへへ。

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

祢宜選びも神事なので、きっと多分恐らくぱはっぷす、無事修められていることでしょう。

現場では「あ、吸い付かないねー」「冬は乾燥してるからねー」「いやーん、落ちたー」「だいじょぶ、見てない見てない」「ありがとー」などというほっこりした会話があるかもしれませんねー。

でも、そんな内緒のはぷにんぐが、官製でも形式的でも形骸化した儀式ではない、「おらが村の祭礼」だと思います。

選ばれた祢宜は断ることはしないといいます。

天候に左右される農作業ですから、氏子の皆様にはとても大切な神事なのでしょうね。

たけにょこといえば、コレでしょー。そうでしょー。えへへ。
筍掘りの画像なんて在庫にありませぬ…(ノ_<。)

piglet01様

ごきげんよう。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

はーい。私もたけのこだとは驚きましたですばい\(^^)/

竹やぶから採れる「たけのこの里」をチョコにするか期間限定のいちごにするか、真剣に悩みましたのよ。むんっ。

秋のマロン味のたけのこの里は美味しかったなー。

聖域なので落書きに躊躇して、たけのこの里の登場です(^〇^)
きのこの山も好きー。

ミント様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

たけのこの彫刻、神事を知らなかったらさっぱりわからなかったと思います。
何で竹なのー?松はどこだー。梅はどこかいなー?と床下まで覗きこんで「わからん!」と叫びそう。

茗荷がワサビ畑やクレソン畑のように清水に生えるとは知らなかったです。阿須須岐神社でひとつお利口さんになりました。

そうそう、クレソンもワサビと同じような環境で育つんですね。
北海道で自生のクレソンを見つけて驚きました。

No title

いま脳内で般若心教ではなく例の御菓子のCMソングがリフレインしてます(あぁタベタイ・・・)
神社なのに・・・神仏習合の名残でしょうか。

てか神仏分離の時に、この段取りが変化しなかった方が驚きかも^^

ほっこり出てくる筍ちゃまが可愛い(*´pq`)
あぁ~式内社争いというより、茗荷と筍の二択になってしまうのは、自分が胃袋で考えてしまってるからですね(爆

ここも大事にされてる雰囲気が伝わる素敵な社ですね^^
ぽちぽちぽちーーー

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

山派?里派?うふ。

最近はいろんな味があって楽しいですよねー。秋のマロン味のたけのこの里、今年も出るといいな。

祭礼の始まりは室町時代と伝わるようです。
神仏分離でお寺を棄却したり僧侶が神職に変身しても、神事の中にある仏教的なものは変わらなかったんですねぇ、きっと。

気づかないくらい当たり前の事だったのかしら。

筍も茗荷も、「おこもり」をして精進潔斎をする点が、柳田国男さんの「日本の祭の本質はお籠りにある」という言葉を彷彿とさせて面白いなぁと思ったのでした。

稲作が中心だった時代には、豊凶を占う神事はほんとに重要だったんでしょね。

地面の下でまだ根っこの状態のたけのこを探すのは、茗荷の芽をすくうより大変そう。なまけものの私はそんな視点。ほほ。
プロフィール

つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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