磯宮八幡神社ハダカガヤ。光秀丹波攻めと神仏習合四天王


・・・どいて、狛ちゃん。
丹波篠山の磯宮八幡神社。

たまたま子ども狂言の発表会に出会いました。

えーっと。拝殿と本殿。
賑やかだったので、少し回避しまして。

正面の鳥居。内側より。

裏口スキーのお姉さまに捧げます。えへ。

裏から見ても見事な本殿。

【主祭神】応神天皇
【配祀神】上筒男命(ウワツツノオノミコト)・天兒屋根命(アメノコヤネノミコト)
【由緒】
933(承平3)年。石清水八幡宮より分霊を勧請。
五十神(いそのかみ)を末社としたため五十宮と称したといいます。
磯宮の名前は、水辺(=磯)に鎮座していたことが由来とも。
もとは、曽地・後川荘など四ヶ荘の総社(他二ヶ所が気になるわ)。

摂社・末社群

生活に必要な神様御一同様。

頭脳とお金は何より必要。
あああ、私に一番欠けとるものやー。よろしくよろしく。

力石にしては、ちっこいわ。

護摩堂。
明治の廃仏毀釈でもこちらは生き延びたのでしょうね。
日本古来は神仏習合。神様仏様。
磯宮八幡神社には、木造持国天立像と多聞天立像(国重文)が残っています。

(クリックで拡大)
「神宮寺にあった」木造持国天立像と多聞天立像(篠山市HP磯宮八幡神社(日置))と篠山市の説明にある事から、この磯宮八幡神社は明治の廃仏毀釈までは神宮寺と神社が一体となっていたと推察されます。
四天王のうちの二人。持国天と多聞天。今は収蔵庫に安置。祭礼の時に拝見できるらしく。是非拝見したいなー。

本殿。
1336(建武3)年、足利尊氏が九州への途中参拝し、願書や鏑矢等を奉納し、田畑も寄進したと伝わります。
建武の中興に功があった足利尊氏。
しかし、新政府に重用されるはずが、1335(建武2)年11月には政権に敵対する者とされ、追討を受けるようになってしまいました。
新田義貞・北畠顕家らの軍勢と京都で激戦するも敗北。
尊氏は丹波に逃れます。
「旗揚げの地」篠村八幡宮(京都府亀岡市)で一旦兵を整え、丹波路を播磨へ向かいます。
国道の372号線(デカンショ街道)は亀岡から播磨へ通じています(←国道を走ったんじゃないぐらいは、私でもわかるけど、でもぉ)。
その途中。
曽地(篠山町)の土豪、内藤入道道勝の館へ立ち寄り、磯宮八幡神社に参詣。

カヤの大木三兄弟。
真ん中の木が突然変異で生じた世にも珍しい、

ハダカガヤです。
かったい堅い殻がなく、ブドウの実のような皮だけの実がなる不思議な木。この木の種子を蒔いても、普通の堅い殻のカヤになるそうで。
と、いわれても、カヤの実を知らんので、説明板をご覧下さい。

(クリックで拡大)
磯宮八幡神社に立ち寄った際に、社僧の勝心がお菓子としてカヤの実を出したところ、尊氏は皮をむいて社前に奉げ、武運長久と共に、この実が育って無皮の実が成るようにと祈って蒔いたところ、なんと、ほんとに堅い殻がない「無皮の実」が結実。

今や国指定の天然記念物。
足利尊氏と同じように、磯宮八幡神社は領主、武将らの信仰が厚く。
八上城主波多野秀治も城内武運長久の守護神として崇敬し、各種寄付。せっせせっせと。

丹波篠山といえば、このお山が城域そのものの、八上城。

だって、山頂の割れ目があれだ。
そして恒例の

光秀による信長のための丹波攻めファイヤー。

下々が騒々しくてごめんあそばせ。しかしこちらも

1579(天正7)年、兵火により磯宮八幡神社は焼失。
翌1580(天正8)には再建。

本殿の神前狛犬さん。木製わんこ。

立派な角がある狛犬さんです。たくますぃ~。

誰に。

また建てるの大変なので燃やさないで下さい。

他人のフリしないで。こら。
さて。関ヶ原を経て

天下普請の篠山城も出来上がった後。
1654(承応3)年。
篠山城主の松平康信が境内並びに田地二反余を黒印除地とします。
※徐地とは、納税義務の免除された土地
※黒印とは、藩主が目下の者へ出したお手紙に押すはんこ (勉強中)

1672(寛文12)年。社殿建立。
現存社殿は1848(弘化5)年に造営されたもの。
丹波地域の特徴。本殿の彫刻が見事です。

馬?鹿?

とりさん。

地場野菜は葉っぱ付きで嬉しい。

熱田神宮のチャボは、飛び蹴りしてくる。

へいへい、かくれんぼぉ~♪
・・・なんの記事でしたっけ?

磯宮八幡神社でした。
周囲を見渡せば、山城のてんこもりもり。
磯宮八幡神社
《住所》兵庫県篠山市日置167
参考文献
兵庫県神社庁HP
篠山市HP「丹後ささやま五十三次」「磯宮八幡神社」
「丹波篠山とっておきの話Ⅱ 戦国動乱の時代と丹波の支配者たち」(梶村文弥著 あいわ書房刊)
いつも応援いただきありがとうございます。神仏混合の名残ある磯宮八幡神社。足利尊氏の逸話や丹波国人衆の攻防と光秀の丹波攻めファイヤー。八上城とそれを取り囲む山城や砦群。興味の尽きない楽しいお社です。木製の狛犬さん、実はでかわんこなのです。わん。



ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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