地神社。蜂須賀氏が恐れた神罰と阿波国独特の地神信仰

こんにちは。


眉山の周囲をぐるんぐるんする徳島の旅。


蜂須賀家政が徳島城の総鎮守として奉還した春日神社。


おはー。


このペアは、1769(明和六己丑)年正月吉日生まれの古参。
大阪炭屋町の石工さんの手による狛犬ちゃん。


徳島の狛犬さんもかわいいな。


境内の奥に鎮座する地神社。


聞き慣れないお社の名前です。


阿波独特の信仰に「地神信仰」があります。

「地神」と刻んだ石碑は他の地区でも散見しますが、阿波国においては創始に藩主蜂須賀氏が深く関わり、「地神を祀る塔と祭礼」が一定のルールにより藩内で統一性を保っている点が独特です。


【「地神信仰」とは】

「阿波淡路右両国之内、古代之天子葬之場所有之由云々」
 
阿波国内の天皇陵や古代の遺跡を掘り荒らした蜂須賀氏。

その神罰を恐れた、阿波徳島藩代11代藩主の蜂須賀治昭。

1790(寛政2)年。

阿波徳島藩代11代藩主の蜂須賀治昭が、神職早雲伯耆の建白を受け、藩内全域に地神塔(塚)を建て、春秋の社日(戌の日)に地元の氏子や農民に「地神祭」を行うようにさせたことが始まり。



阿波徳島藩内に地神として祀る碑や祠(地神社)が、2000基はあるといいます。

その形は「五角柱の心石」「五角形の祭壇」「屋根がない」という統一性があり、塔の五面には

①天照大神【農業祖神・皇祖】※必ず北向き
②倉稲魂(ウカノミタマ)命【五穀祖神・稲米(五穀)の神 】
③埴安姫(ハニヤスヒメ)命【土御祖神・埴土(はに《=土器や祭祀》)の神】
④少彦名(スクナヒコナ)命【五穀祖神・薬学の神】
⑤大己貴(オオナムチ)命【五穀護神・葦原中つ国の盟主神】

以上五神の名をそれぞれの面に記します。

古事記・日本書紀の神話の「国土創生」の神々であり、阿波国内では神蹟の明らかな「土着の神」の五柱。



【「地神祭」とは】

春・秋の彼岸に一番近い「戌」の日に、地元の氏子や農民は農耕を休み「地神さん」の周りで祭礼を行います。

その日に農作業をすると地神さんの頭に鍬を打ち込むことになるといわれ、忙しい時期ではあるものの総ての農家が農作業を休みました。

「地神さん」の周りに注連縄を張り、沢山の供物が供え、時間が来ると、その供え物は子供達に「お下がり」として分け与えられます。

子供達はこの日のことを「おじじんさん」と呼び、楽しい年中行事の一つとしていたとのこと。


以上のように、阿波徳島藩内に独特の「地神信仰」は「地神社」と「祭礼」の形で今も残っているのです。

※尚、阿波藩独特の祭礼行事なれど、隣接する地域や、阿波徳島藩からの入植者が居住する北海道の地域等でも「地神さん」が祀られています。


春日神社境内では、一際大柄で細工の見事な狛犬が地神社を護っています。


はいはい。こちらは1862(文久2)年戌二月吉日生まれ。


大事にされてよかったね。


あら。何に使うの?


ふんふん。

 
犬歯も細かく彫られたお顔。

え、貯金!?


えらいねぇ。


阿吽共に大型犬の穏やかさがにじみ出ています。

しびあだけど。


しっぽの先まで立派。


どうしたのかしら。


おっと。おしり、落ちかけてるよー。


温泉なんかに入ったらどうなると思う?


違うでしょ。沈んでしまうでしょ。レスキュー呼ばなくちゃでしょ。


教育的指導。

さて。いろいろな狛犬さんに会えたので、満足して帰途につきます。

おや。社務所兼集会所の前にも狛犬さんが。


食べかけの飴ちゃんはいりません。気持ちだけ、ありがとう。


・・・鳴門金時じゃ、だめ?

ほら、おさつやしっ(*^▽^)/★*☆♪



春日神社
《住所》徳島県徳島市眉山町大滝山1



参考サイト
「徳島県立図書館/郷土研究発表会紀要第42号」
→→→「郷土研究発表会紀要第42号」

 
いつも応援いただきありがとうございます。しまった。オヤジギャグで締めてしまったー。
大型犬の狛犬さん。丹後半島等で大型犬には会いましたが、横から見たら徳島の狛犬。春日神社も狛犬いっぱい。阿波国独特の地神塔(地神社)にも触れることができて、とても興味深いお社でした。

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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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非公開コメント

No title

こんばんは♪

狛犬さん、油断すると落ちちゃいそうですね(^_^;)
すんごく踏ん張ってるように見える…
頑張ってねと応援したくなります。

No title

つねまるさん、おばんですばーい♪

あら、蜂須加家の家紋は卍なのに、神社にはまっていたのですか。
名家の狛犬さんだから、いい顔していますね。
余裕があります☆

九州の阿形狛犬は石玉を咥えているのですが、徳島も
咥えていたのでしょうか。

宙海様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

ものすっごく踏ん張ってますよね~(^ー^)
何かが産まれてくるのではないかとドキドキします。

夜中に転げ落ちてるかもしれません。

大型犬なので余計に心配。頑張れー、ですね♪

piglet01様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

眉山の山麓には神社が集中しています。いろいろと思うところがあったのでしょうね。

大型犬の穏やかでゆったりとしているところが好きなんですが、狛犬さんでも性格は同じなのかしら。余裕。

お髭も毛並みもお顔もとても丁寧な作りの狛犬さんです。
でっかい手足もお気に入り♪

玉をくわえた狛犬さんは、全国各地に散見されますね。
中には口の中でころころと転がるものもあります。

徳島で出会った狛犬さんも玉をお口にくわえて、見て見て♪っと甘えているようで、かわいくてたまりません。

No title

こんばんは。いつも楽しい記事をありがたうございます。

地神樣のお話は大變興味深く讀ませてゐただきました。
大宜都比売の國だけに、農耕に深く關聯する風習があると言ふところなのでせうか。

徳島は、美味しい食べ物も多かつたですね。鳴門金時の里娘!
あと、「ふしめん」が好きでした。不均等ながらもつちりとした食感が病みつきになり、よくお味噌汁に入れて食べたりしました。太めの半田素麺も好きですね。
あと、かなりテイストが變はりますが、麺王の「シャーシュー丼」もあゝ、久々に喰ひたい!

No title

こんばんは。お邪魔します。
大型ワンコの狛犬ちゃま。いいお顔されてますねーー!! ちっぽもご立派で。おちりがはみでてる~~
あめちゃんの狛犬ちゃまも可愛いな~~
ウフ、でございます(*^^*)

橘右近大夫様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

農耕に係る五柱の神様がおいでなので、おっしゃる通りの風習に繋がっているのだと思います。

おや。美味しい食べ物いっぱいですねっ♪鳴門金時の里娘さんが、名前からしてものすごく美味しそう。芋納豆じゃなくて、焼き芋が一番。ぱかーっと割ったときの黄金色がたまりません。里娘、覚えました。八百屋さんに行ってみます。

ふしめん~(≧∇≦)

きしめんで育ったので、ひらぺったい小麦粉加工物が大好きなのです!
私もお味噌汁に入れますよぉ。とろんっとなって、美味しいですよねー!
小麦粉つながりで、半田素麺も好物です。私、これ、愛知県の半田市の特産品だとずーっと思ってました。きしめん文化圏の素麺はおいしいなーって。

大間違いでした。るるるる~。

シャーシュー丼?橘右近大夫様、酔ってますかぁ~?

そうそう。徳島ラーメンとセットで食べてみたいです。
まだ地元の味を巡るところまでたどり着いていないので、勉強になりますっ。ふっふっふ。
とりあえず地元のスーパーを何軒かはしごして見たことないお惣菜の目処はつけたので、徳島のご飯を充実させたいです。今回は初めての徳島だったのでおとなしくホテルでいただいておりました。

これが食べたいから徳島に行くのよ、が、目標です。

おきまちあき様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

大型犬の狛犬さん、ええ顔してますよねー!同じような大型犬は丹後半島にもいましたが、横顔が全く違うのですよねぇ。

ますます狛犬愛がとまりません。

はみっちり、なにかを生み出しそうでドキドキします。
お取り込み中かしら?っと、思いは下々の方へ向いてしまい、自主規制。

飴ちゃんチビ狛犬、ほんとに無邪気に笑顔を向けてくれます。
うあーん、もう、この子ったらー!って抱き締めたくなります。
今宵も素敵なコメントをありがとうございました(≧∇≦)

No title

地神って初めて聞きました。
その土地、土地で色々あるもんですね^^
郷土史をやってると、史料に神社がちょいちょい出て来るんで、それもあって一宮とか総鎮守とかに興味を持つようになったのもあります^^

エース狛ちゃ~~大型犬の魅力炸裂ですね!!
まるでピレネー種か山岳救助犬みたいな~
尾も顎から胸にかけての毛並のモフモフ感が堪らない^^
足の骨太なのが、また可愛い!!

ぽちぽちぽちーーー

三倍速い

こんにちは。連投すみません。

ぎやあゝ。「チャーシュー」のはずがあゝ。すみません、タイプミスです。これからは、三倍速くコメントします。

ちなみに、徳島ラーメンだと「東大」が人気です。

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

そうなんですよぉ。

初めは有名なお社に行って、ほぉーほぉーっと思うんですが、その道中にある小さいけど大切にされてる村のお社に立ち寄り、見たことがない神様の名前とか、石舞台古墳の如き磐座に出会って、その土地にハマる。

地元のおじいちゃんと話し込んでしまい、おじいちゃんの軽トラの後に続いて未舗装道を走り、祠を知る。
そして、お宅に上がり込み、おやつをいただき、仲良しさんになり、庄屋さん登場。

名古屋にいた頃の東三河巡りとか、苗木城のある中津川界隈では、学生さんかよ!?ってぐらいフィールドワークしましたねぇ。

熊野も、しかり。

一宮や式内社を知るには神話をひもとくのが早いです。
しかし、地方の神社では、祭神にだけ注目すると、廃仏なんちゃらの時にお寺から神社へ変身した時に強引に神様の名前を持ち出した所もあるので騙されてしまいます。

昨日までの僧侶が今日は神主さん。

四国のこんぴらさんは、その典型。
行くと、建物はお寺。祭神と、紛らわしい名称をよーく考えたらおかしい。金比羅権現ちゃうやん、ちょっとお待ちになってー!って思いますのよ。

走れ~ジョリィ~(≧∇≦)

もしくは、パトラッシュ。

大型犬の魅力は狛犬でも最強。骨太の足にがっつり食らいついてます。ふふふ。

たちばなうこん様

こんにちは。あははははは。

ぼうやだからさっ(*^▽^)/★*☆♪若さゆえの過ちさっ(≧∇≦)

東大ですね。ほほぅ。え。赤いツナガリですか!?

No title

『「地神信仰」は「地神社」と「祭礼」の形で今も残っているのです。』
こういうの、なんとも言えず良いお話ですね。
ちょっと将門信仰にも通じる気がするんですけど。
蜂須賀さん、かなりヒドイ事をしていたんですね。
蜂須賀治昭公、何か祟られちゃったりしたんでしょうか。
民衆に根付いている信仰をメタメタにしちゃいけないでしょう。
北海道にも地神信仰が渡って行ったんですか。
知らなかったわぁ。

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

祟りを恐れて相手を祀り崇める「御霊信仰」が根底にあると思います。
将門に対する信仰もそうですね。

四国、特に讃岐・阿波はそれこそ3桁の年代より中央との関わりがあるので本当は大切にしなくてはいけないものが多かったかと。

入封当時はそれどころじゃなかったけれど、落ち着いたら「やばいっ」と思ったのかも。

北海道へ行ったときは地神塔までは探すことが出来なくて。
シンボルとしての塔はなくても、形を変えてお祀りしているのかもしれないですね。

あー、また北海道へ行かなくちゃー!
プロフィール

つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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