油日神社。火に油を注いではいけません。甲賀の総社。

こんにちは。


甲賀の景色。


もりもりの森があれば


セメントが固まる前にこそこそっと通ってしまう子がおります。

・・・間違えました。


森があれば、神社。油日神社です。

創始は不明ですが、

「元慶元年(※877年)十二月陽成天皇丁酉朔三日己巳授近江国正六位上油日神従五位下」(877(元慶元)年12月3日。近江国の正六位上、油日神に従五位下(神階)を授く)

と、『三大実録』に記述がある(国史の初見)ので、この頃には既に神社の形態となっていた事がわかります。

国史に記載があるので「国史見在社」といいます。



【ざつだん】
平安時代927年にまとめられた「延喜式」巻九・十は古代律令制の「神祇官」が作成した「官社」の一覧表。
これを「延喜式」の内の「神帳」に名前が載る神社ということで、延喜式内社、式内社、式社といいます。神社の格付けですね。全国で2861社。そこに鎮座する神の数は3132座にもなります。

官製の選定ですから、当然、背景には政治色が濃いぃです。

記載のない神社は「式外社」。
しかしそこには、朝廷の勢力範囲外の神社や、熊野那智大社等の独自の勢力を持った神社、仏を祀る寺の神社(神仏習合)、石清水八幡宮等の僧侶が管理した神社、正式な社殿がなかった神社(日本古来の自然信仰)があります。

私は「式外社」といえどもお社はお社だと思います。
日本には、なんたって八百万の神がおわすのですものー。
全国の「おらが神さん」をまわりたいです。

で。

式外社でも六国史(日本書紀・続日本紀・日本後紀・続日本後紀・日本文徳天皇実録・日本三代実録)に記載がある神社を特に国史現在社(国史見在社とも)と呼びます。

油日神社について「甲賀郡 川枯神社二座」と見る説もありますが年代不適合な点があり、確定に至らずです。


社伝縁起には用明天皇、或いは天武天皇の頃の創始と。


楼門は1566(永禄9)年建立。


朝廷や民の崇敬を集め、元慶(三大実録記載年間)以降、神階は上がり、「正一位油日大明神」(本殿棟札・1493《明応二》年上棟)に。


油日神社の特色は楼門の廻廊。覚えておいてね。


楼門を通る瞬間が好きです。


桃山時代建立の拝殿。
お椀を伏せたような曲線のものを「唐破風」といいますが、ここは軒にあるので「軒唐破風」。


ちんご。


格子戸、いいなぁ。


どれが誰だかわかりませんが。


棹縁天井。おばあちゃんちみたいですが、棹が太い。


境内は広いのに、本殿と拝殿がぎゅーぎゅーです。



【祭神】油日神
【配祀神】猿田彦神 罔象女神


油日神社は、背後にある標高694mの油日岳をご神体とします。
山頂には奥宮があり、油日神社はその里宮。


油日岳の山頂に油日大明神が降臨した時に一大光明を発したため、油日の名がついたといわれます。

「天地創成の母胎である『アブラ』に宿る『ヒ』(日、火、霊)の大御魂」と戴き、萬象根元の神、諸願成就の神、油の祖神なのです。


ご神木と本殿と、井戸。


正面は南向き。ここは西側。


明治の悪令「神仏分離令」の刷り込みで神社に鐘楼があると不思議だと思いがちですが、日本古来の形は、神仏混合。


こんな風景、いいなぁ。

この油日神社。甲賀にあります。
甲賀といえば、甲賀五十三家の同名中からなる自治組織「甲賀中惣」。


油日神社は、甲賀五十三家の総氏神。

廻廊内部はこのように集会所のようになっています。
油日神社の特色です。

毎年の油日まつりには甲賀武士の中から五頭殿が巡年参向、天正14年には「甲賀中惣」より永代神領百石の寄進を受けています。


いつも応援いただきありがとうございます。油日神社は、二宮君の映画「大奥」、映画「武士の献立」、大河「平清盛」、ドラマ「女信長」、朝ドラ「ごちそうさん」等、数々のロケ地になっています。京都の巨大な官製神社もいいですが、ひっそりと佇む地味でも荘厳なお社が好きです。
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ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
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No title

立派な社ですね。燃える紅葉と楼門も素敵です。
そして勉強になりました。
去年、神社検定を受けた時に必死に延喜式の勉強しましたが、見事に記憶にございません…政治家になれそうです。

No title

こんにちは。お邪魔いたします。
いろいろなドラマや映画でのロケがこちらであったんですねー! 今度意識して観てみようっと! 楽しみが増えました。
道路に残っちゃっただーれかさんの足跡、かわいいっす~

yuki様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

私も政治家でございます。囁いてくれる女将も秘書もおりませんのがタマニキズ。

油日神社の楼門は観光案内に必ず記載されるほど滋賀県観光協会様がオシオシなのですが、予想以上に静かで(というより、誰もおらん)、素晴らしかったです。

やはり現地に赴くのが一番ですね。人生で一番価値のあるテストは、運転免許取得の試験です。

おきまちあき様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

ここは電線もないし、建物に統一感がありますし、人は少ないし、コスプレ撮影には最適なのでしょうね。

滋賀県はロケ地の宝庫なんです。エンドロールで、しゃーっと流されてしまうのが残念無念。

だーれかさん♪の足跡ね、ごめんね。あのね、実は油日神社のお手洗い前なんですの。おほほほほー。

蓋をどけたら暗黒の世界が迎えてくれる、決してポケットの物を落としてはならじ!なんだけど、小綺麗な。・・・あらやだ。わたくしってば何を力説。

むにん、っとした肉球がたまらないです。これで瓶ビール一本いけます。

No title

つねまるさん、こんばんわー

甲賀って、直線道路がビョーンと走り、防風林がもりもりとあって、北海道の原野みたい(・∀・)アヒャ!! 

頭に3本の毛があるボクはかしこいね! 真っ赤にしてしもうた(≡^⚲͜^≡)

左右の回廊は男女の厠につながっているのかなぁ~。

piglet01様

おばんばぁ~い。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

道東に行きたくなる病が再発してしまいます。来年のカレンダーを見て、こりゃ行かなあかんやん?っと思っております。
春の連休ならチャシが裸ん坊なので、モリッとマルッとが見えるかなー。

甲賀のイメージとしては、松島の水がないバージョンですが、今は森になっている山城が山城スペシャリスト様から教えていただいたところ、当時の山城はツルッパゲだと。

あの平地にツルッパゲの山城がぼこぼこぼっこー!とあったら、さぞかし威圧感があったろうとワクワクします。

頭に三本毛は、小学校の頃からの相棒でございます。
誉めていただいて、ヤツも本望。


>左右の回廊は男女の厠につながっているのかなぁ~。

残念ながら、厠に繋がるのは足跡くんの方ですの。おほほ。
暗黒の世界に引きずり込まれそうな厠で恐れおののいたわたくしを癒してくれました。

左右の廻廊は、甲賀五十三家に繋がりまする。だから現場は面白いぜい!だす。

No title

甲賀
伊賀もそうだけど、甲賀も「隠れ里」 という感じなんですよね。
地図を見せられて「伊賀・甲賀はどこですか?」と聞かれても答えられないんだもの。
勉強不足だわね。
「隠れ里」という言葉の雰囲気が大好き。
地図で確認すると、琵琶湖の近くなんですね。
こんな立派な神社がひっそりと鎮座しているのも、素敵です。

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

仰る通り「かくれ里」ですね。
特に油日神社の風情は、白洲正子さんが随筆「かくれ里」で描かれています。

静かな静かな里に、ぼんっと室町時代のお社が鎮座する風景はとてもとても素晴らしくて、日本好き♪っと実感致します。

伊賀もいいですよねぇ。土のお城もわんさかなんですよねぇ。
佐久のとびっきり素晴らしい山城にはなかなか行けないので、ちまちまと里山散策です。
甲賀も伊賀も、山城(城館?)と神社をセットにまわるといろいろな事がなんとなく見えてきます。

私は佐久の場所を地図で探しましたの。思ってた場所の遥か彼方でした。すみません。
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史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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