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謡のお稽古「熊野」と書いて「ゆや」と…読んでね、お願い

平宗盛の愛妾、熊野(ゆや)。遠江国出身。

ある日、遠江国にいる老いた母からお手紙。
病気が重くなり、すっかり弱気な母。

そのお手紙を宗盛に読んでやり(文の段)、母に会いに帰省したいの、っと宗盛に言ってみた。

「花見に行くから同行せよ」・・・やぶへび。

やむなく一緒に車に乗って清水寺へ。




花の下での宴会にて、宗盛から所望され、心ならずも舞を舞う熊野。
途中で急に村雨が降りだして、花が散る。

熊野は、歌を詠んで短冊に書き留め、宗盛に差し出す。

「いかにせん 都の春も惜しけれど 馴れし東の花や散るらん」

さすがの宗盛も哀れになって、暇を与えます。

「気の変わらんうちに、れっつ帰省!」
熊野はこれも清水観音のご利生だと喜び勇んで、東をさして帰っていきます。


こんなお話。


出典は「平家物語」の海道下りから発展させた(妄想拡大させた)もの。

僧侶がボーッとしてたら何かが現れて、歌って舞って去ってった、という能楽のいつもの形とは異なります。

全員、生身。

お手紙を読む場面(文の段)、京都の町を車で移動するときの行程、春も盛りの村雨、やっと帰省許可が出た喜び、など、具体的な描写が続くので、わかりやすい曲です。


シテは一人で長い長いお手紙を読むし、よく喋るし、謡はたーいへん。


私は移動の車からの描写が細かくて面白いです。

「四条の橋や、鴨川沿いの道には老若男女がたくさん」
「河原町を過ぎたら、六波羅の地蔵堂」
「愛宕寺(六道珍皇寺)を過ぎて、六道の辻。冥土への道なんでしょ。怖いわ」
「鳥部山(荼毘にする所)の煙が霞んでる」
「これが経書堂かぁ」「子安の塔(清水坂の途中)を過ぎたね」

そして、やがて清水寺に到着。つい地図で確認してみた。


この「熊野」は、「熊野松風に米の飯」(『熊野』と『松風 』は、お米のご飯と同じく何度観ても飽きず、噛めば噛むほど味が出る)と言われるほど、愛好されてきた曲です。


むずかしい…( ノД`)…私にはまだ、早い曲でした。


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