軍師官兵衛。今日の能は「屋島」キリ。勝修羅物です。
こんばんは。
今夜の「軍師官兵衛」第27話「高松城水攻め」
能楽師ご一行様は、信長様に「下手くそ」と言われました。くすん。
「幸若を呼べ!」っと言ったのは、本能寺で「敦盛」を舞うための前フリなんですね、信長様。ぷう。
今日の「軍師官兵衛」の信長様芸術鑑賞会は、能楽「屋島」。
200以上ある曲の中で、たった3曲しかない「勝修羅」の能です。
能には「修羅物」という分類がありまして。
武将が現れて「修羅道に堕ちて苦しいよぉーっ。僕の最期はこんなんだったのよぉー」とか「俺、こんな風に戦ってん。えへん。」と、その様子を舞い語ります。
能楽は平家物語の曲が多く、平家の武将達が主役になっているので、負けた側のお話ばかりになります。
「負修羅」。扇はこれ。

「勝修羅」の扇はこれ。

「勝」は、この3番。シテ(主役)の名前を見れば勝者ばかりですねぇ。
「屋島」シテ…源義経
「箙(えびら)」シテ…梶原源太景季
「田村」シテ…坂上田村磨呂
で、「屋島」
題の通り、義経目線での屋島での源平合戦。
義経の勇士ぶり、景清と三保谷の錣引、佐藤継信が義経をかばって能登守教経の矢先に倒れた最期などを、漁翁(実は義経の霊)が語る前半。
後半は、甲冑姿の義経の霊が現れ「弓流し」の様を再現し、修羅道での責苦の戦い、また教経相手の激戦の様子を語り、夜明けとともに消え失せます。
教経相手の激戦の様子を表現するのが、キリ、という最後の場面。
本日の信長様の芸術鑑賞会は、ここ。
「今日の修羅の敵は誰そ。なに能登守教経とや。
あら物々しや手並みは知りぬ。思ひぞ出づる壇之浦の。」
「その船戦今ははや。閻浮(えんぶ)に帰る生死の。海山一同に。震動して。船よりは閧(とき)の声。」
(ドラマでは、なぜか「船戦」の「いくさー」から始まり…途中飛ばして、「波のたてー」)
「陸(くが)には波の楯」

「月に白むは」「剣(つるぎ)の光」「潮(うしお)に映るは」「兜の星の影」
「水や空空行くもまた雲の波の。打ち合い刺し違ふる。船戦の駆引。浮き沈むとせし程に。」


「春の夜の波より明けて。敵と見えしは群れいる鴎(かもめ)。閧の声と聞こえしは。浦風なりけり高松の浦風なりけり。高松の朝嵐とぞなりにける。」
おしまい。
いつも応援ありがとうございます。
今回の大河は能楽の場面が多くて楽しいです。屋島、後半は楽しいのですが、前半は…ぐーすかぴーです。すみません。



ぽちぽちぽっち、ありがとうございます。
今夜の「軍師官兵衛」第27話「高松城水攻め」
能楽師ご一行様は、信長様に「下手くそ」と言われました。くすん。
「幸若を呼べ!」っと言ったのは、本能寺で「敦盛」を舞うための前フリなんですね、信長様。ぷう。
今日の「軍師官兵衛」の信長様芸術鑑賞会は、能楽「屋島」。
200以上ある曲の中で、たった3曲しかない「勝修羅」の能です。
能には「修羅物」という分類がありまして。
武将が現れて「修羅道に堕ちて苦しいよぉーっ。僕の最期はこんなんだったのよぉー」とか「俺、こんな風に戦ってん。えへん。」と、その様子を舞い語ります。
能楽は平家物語の曲が多く、平家の武将達が主役になっているので、負けた側のお話ばかりになります。
「負修羅」。扇はこれ。

「勝修羅」の扇はこれ。

「勝」は、この3番。シテ(主役)の名前を見れば勝者ばかりですねぇ。
「屋島」シテ…源義経
「箙(えびら)」シテ…梶原源太景季
「田村」シテ…坂上田村磨呂
で、「屋島」
題の通り、義経目線での屋島での源平合戦。
義経の勇士ぶり、景清と三保谷の錣引、佐藤継信が義経をかばって能登守教経の矢先に倒れた最期などを、漁翁(実は義経の霊)が語る前半。
後半は、甲冑姿の義経の霊が現れ「弓流し」の様を再現し、修羅道での責苦の戦い、また教経相手の激戦の様子を語り、夜明けとともに消え失せます。
教経相手の激戦の様子を表現するのが、キリ、という最後の場面。
本日の信長様の芸術鑑賞会は、ここ。
「今日の修羅の敵は誰そ。なに能登守教経とや。
あら物々しや手並みは知りぬ。思ひぞ出づる壇之浦の。」
「その船戦今ははや。閻浮(えんぶ)に帰る生死の。海山一同に。震動して。船よりは閧(とき)の声。」
(ドラマでは、なぜか「船戦」の「いくさー」から始まり…途中飛ばして、「波のたてー」)
「陸(くが)には波の楯」

「月に白むは」「剣(つるぎ)の光」「潮(うしお)に映るは」「兜の星の影」
「水や空空行くもまた雲の波の。打ち合い刺し違ふる。船戦の駆引。浮き沈むとせし程に。」


「春の夜の波より明けて。敵と見えしは群れいる鴎(かもめ)。閧の声と聞こえしは。浦風なりけり高松の浦風なりけり。高松の朝嵐とぞなりにける。」
おしまい。
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今回の大河は能楽の場面が多くて楽しいです。屋島、後半は楽しいのですが、前半は…ぐーすかぴーです。すみません。



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