熱田神宮能楽殿の現状と名古屋能楽堂

こんにちは。


尾張を語るのに熱田神宮は不可欠です。

が。


私の目的はこちら。


熱田神宮能楽殿です。

祖母、母、私。

三代がそれぞれ舞台に立った思い出の能楽殿。


昭和30年(1955)竣工。


舞台から熱田の杜の木々が見えてとても気持ちがいいと評判でした。

20170324205930157.jpg
おしゃれです。


帯を持って憧れの先生に「しめてください(きゃっ)」とお願いするのが恒例で。おほほほほほ。

そんな、熱田神宮能楽殿ですが。

平成9年(1997)能楽界より1億円の寄付金を集め、改修工事。

客席500→354(消防法の定めによる)

ところが。

平成18年(2006)10月8日、閉鎖。


びっくりしました。


閉鎖の年の春に、熱田神宮能楽殿での最後の思い出として出ました。


さてこの熱田神宮能楽殿の閉鎖の理由ですが、

要は、熱田神宮にとって利益が出ない上に維持管理費がかかる能楽殿はお荷物だと。神宮側の代替わりもあったようです。

でもあの寄付金1億円の残りは?

まー、怒った怒った。いろんな先生が。

また、閉鎖時には「舞台は皇學館大学に無償譲渡します」と言っていたのが頓挫して、閉鎖から11年が経っても、今のほったらかしな惨状です。

まあ、解体するにも出来ないのかなとは思いますが。

だから、この目で、現状を確かめたかったんです。


内部はそのままのようで、非常口の灯りも点いてます。

二階に食堂があって、祖母の舞台を観てから母と一緒にハヤシライスを食べました。

グリーンピースがのってて、それがちょっと苦手で。


舞台。昔の写真を取り込んでるので、画像荒いです。


こちらは楽屋玄関への道。


普段は先生しか入れないけど、発表会の日は私もここから入れるのが誇らしくて。

玄関、おばあちゃんちみたいで、味わいがあるでしょ?


靴箱もスリッパもそのまんま。

楽屋のトイレのお向かいが、舞台への出入口。


客席キャパが354席なのは、素人の発表会には適度な大きさです。

さて一方の名古屋能楽堂ですが。


名古屋城正門前にある門。


平成6年着工、平成9年竣工。


一部の名古屋市民待望の能楽堂です。


名古屋城三の丸にあった能舞台風にしたかったのか不明。


入口ロビーに「橋弁慶」のからくり人形。


能面展や様々な展示が行われてます。

公演がないときは客席から舞台を見学できます。


客席数630。立派なホールです。


シテ(主役)が「おまく」と言うと、後見が幕を上げます。



当初の目論見では、プロの会を名古屋能楽堂で、素人の発表会を熱田で、となってたのですが、二つも必要なかったのかと。

熱田が閉鎖されても春の発表会シーズンの休日に、舞台が空いてることがそれを示しています。


無駄に贅沢な気がするの。


素人の発表会にはこれぐらいの大きさがいいです。



いつも応援いただきありがとうございます。
思い出のいっぱいな熱田神宮能楽殿の現在の姿は、建物や舞台がそのまま放置されている悲しいものでした。重機で解体される日もいつか来るんだろうな、寂しいな、とは思いますが、このまま朽ちていくならその方がいいです。名古屋能楽堂のスケジュールがみっちりになるよう、地元の能楽師の先生方にはもっと頑張ってもらわなくちゃ。

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非公開コメント

こんにちは

つねまるさん、すごいです( ゚Д゚)
おばあ様、お母様、三代 能楽をなさっておられるのですか!

そんな思い出の能楽殿、こんなに立派な施設なのに、寂しいというか、悔しいというか…

維持さえできれば、いろんなイベントに貸したらいいのでしょうに。

てか、1億円の残りは?

ううむ。
気になる。
とっても気になる…(´・ω・`)

No title

熱田神宮能楽堂は名古屋の有形財産では? うらやましいです。 こんな立派な舞台に立つことが出来たら、さぞ、うれしいことでしょう。

熱田神宮能楽殿

つねまるさん、こんばんは。

三世代にわたり能を演じてこられたとはすごいことですね。その思い出の場所が閉鎖されたことはさぞかし辛かったと思います。

古典芸能の世界でも、結局建築業者だけを潤わせるようなことが起こっているようですね。
大きな施設が出来ても、結局維持費を賄うだけの利益が出なければならないので、そこを利用できる者は限られてきます。安く提供できる施設がなくなれば、観客を集めることが難しくなり、伝統を守ることは容易ではありません。

海月様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

名古屋は芸事が盛んですが、地域の長者さんちに集まって季節の謡を楽しむ「謡構」というものが昔はありまして。

祖母はそこで謡い、たまに師匠についてお稽古してました。

母は勤め先の同好会で、謡と仕舞。
白黒写真ですが、若い母が私も舞台で着た着物で舞台に立っているものが残ってます。

元は祖母の小紋でこれを染め直し、黒地に大きなチューリップみたいなお花があしらわれた、当時としては斬新な模様だと思います。

小さい頃は夏休みなどは祖母の家に預けられてたので、「ひとりでお留守番するか、おばあちゃんと来るか」と迫られ、絵本をたくさん持って謡構へついていったのが、私も謡を始めたきっかけで。

おほほほ。

熱田神宮能楽殿は、熱田の杜に囲まれた素晴らしい舞台です。

結局先立つものがなければ維持できず、古びていくのでしょうね。

熱田神宮としては神楽は神楽殿がありますし、他にも様々な建物があるので、能楽殿はいらないのだと思います。

毒、吐いてますが。

集めた寄付金は、受領側のものとはなりますものの、収支報告は必要なのではないかなぁ。とても1億円を使い果たした改装とは思えないので、疑惑が渦巻くのだと思います。

こんな姿が見たくて寄付したんじゃない。
結局、譲渡の話も先様へ話を通してなかったんじゃないかとも思ってしまいます。

残金でアレを作ったやろ、こら。わたしゃ知っとるぞ。

そんな感じ。

名無しのお客さま

こんにちは。お名前がないのですが、恐らく、いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます、の方と存じます。

そーなんですよね。

いい具合に舞台に深い味わいが出た頃で、切戸口の雰囲気や鏡の間の広さと厳かさは、他の舞台にはないものです。

楽屋がいくつもあり、広々と装束を広げられるのもありがたいです。

舞台に立つと、本当に窓からの木漏れ日がきれいで清々しくて。
あー、いいなぁ、自慢の舞台だなぁといつも思ってました。

新しい舞台はきれいかもしれませんが、無機質です。

お稽古事が盛んであった名古屋の風俗、三種の神器がおさまる熱田の宮で舞台に立つ意義、先人たちがお金を集め完成に至ったときの喜び。

感傷的ではありますが、こうしたものを大切に出来ないなら、人の心に支えられる神社なんかたかが知れとるわ、っと極論に至ります。

熱田神宮能楽殿の復活を切に願っております。

しばやん様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

あたたかいお言葉、ありがとうございます。
本当は涙がこぼれるほど悲しかったです。

最後の舞台になるよと気遣いしてくれた師匠には、ほんとに感謝してます。もう四半世紀以上の師弟関係ですが、兄のように慕っております。

名古屋能楽堂は、当時の名古屋市長の置き土産で、市発注の大型物件で初めて一般競争入札が行われた一連の文化施設(各区に音楽プラザや劇場を建設)のひとつです。

落札者が決まった談合だと事前にマスコミにさされたものの、実際その共同建設企業体(JV)が落札しております。

各JVが入札後に各々見積書を提出させられましたが、事前に落札者から見積書が配られており、それに何割か上乗せして作った見積書であることは名古屋市側も知っていて、とぼけてましたよ。

今回、名古屋能楽堂の建設に至る年表を現地で見ましたが、事前調査と計画はやはり落札者が行っておりました。

素人会は名古屋能楽堂では広すぎて、市内の個人所有の舞台で発表してます。

舞台に立っても、見所がスカスカだとやる気も失せますし。

古典芸能を下支えしてきた同好会やお社中が、自身の発表会でも師匠の自前の舞台がある東西へ行くようになり、名古屋での催しは実際に減っております。

また、玄人の催しでは。

名古屋の能楽シテ方の場合は、施設があってもそこで満席にできる能楽師がどう贔屓目に見ても見当たらないのは、痛いです。

例えば関西ではメインではなくコーラス部隊に過ぎない人の舞台を誰が高いお金を払って見に行くかという言い分も観る側にはあります。

どうせお金を使うなら京都や東京へ行って、名手といわれる先生の舞台を思う存分観た方がお得です。

結局名古屋は東西から著名な能楽師を呼ばねばならず、チケット代は高騰しますし、頻繁には催しが出来ない。

お稽古事が盛んな名古屋ですが、自分で自分の首を締めている印象は否めません。

よもや三月のオンシーズンに舞台がオフだとは思いもよらず。
これがすべてを語っている気が致しました。
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つねまる

Author:つねまる
史跡をちょろ見しながら、景色を楽しむゆっくり旅。地味。

古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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