河内神社。古座川に浮かぶご神体「河内島」遥拝所
こんにちは。

はてさて、これは何かしら?

古座川のもう少し下流で見た、森や木々を祀る神戸神社 に似ておるぞ。

うーむ。

木、にしか見えません。

ち、ちょっとね、ねぇ。これじゃ清められず。
戸惑いつつ、石段を下りたらば。

清流、古座川の風景。

はい、何でしょう。
・・・河口から3キロにもなると、こんな子が住めるのかしら?

あっち?

あっちは、眩しい。
紀伊半島南部の基盤である第三紀四万十帯の上に堆積して出来た、泥岩と砂岩の互層「熊野層群泥岩層」の割れ目に、約1千4百万年前の火山活動で、マグマが上昇し、冷え固まった火成岩(熊野酸性岩)。

橋杭岩と同じ「岩」ですが、

こちらは「河内さま」「河内神社」と呼ばれる河内島。
島全体がご神体で、島と周辺の河原と背後の山が神域

ここは「宇津木の遥拝所」。
「崖っぷちに玉垣がつくられていて、参拝所めかしく仕つらえられている。
沖縄で言えば拝所(ウガンジョ)である。
沖縄では神社(御岳(うたき))は古神道どおり社殿をもたない。この熊野の河内神社もそうであった。」
(『熊野・古座街道、種子島みちほか 街道をゆく (8)』司馬遼太郎/朝日文芸文庫)

古くは「河内明神」。
「村の巳の方(南南東)、古座川の中にある。
高さ15間ばかり、周50間ばかりの岩山の小島である。
これを神として祀り、高川原村・古田村・宇津木村・月野瀬村の4ヶ村の氏神とする。
古から土地の人はこの島に登ったことがなく、島中の草木にかりそめにも手を触れることもない。
岸頭の岩、高さ30間、横の山足50間ばかりを境内とする。」
(『紀伊続風土記』「宇津木村の条」口語訳:み熊野ねっとより)
http://www.mikumano.net/meguri/seishoto.html

直接は河内島が拝めませんので、木をスルーする勢いでおまいり。
祭神は、素盞鳴尊。(和歌山県神社庁「河内神社」より)
前出『街道をゆく』の中で司馬遼太郎は
「憑代であるこの岩礁の神の名は、スサノオノミコトであるという。韓神(からがみ)である。韓神だからこの地域に朝鮮から渡来したひとびとが住んでいたというのではなく、この祭神は平安期の流行神(はやりがみ)だったからに相違ない。」
との見解を示し、古来の自然信仰・自然崇拝における「神」については
「本来、神に名などはなかった。 河の中の奇礁だから神が宿るにちがいないという古代の形而上的意識がこの岩礁を神聖視するにいたったに相違なく、この岩礁はこの宇宙に一つきりしかないから名などつける必要がなかったのである。」
と私見を述べています。
しばりょ歴史観の是非は別として、確かになぁ、神の名前なんて後付けなんだろうなぁーっと思うところはあります。

河内島を見て「スサノオ!」
よりは、
ほんわりと「神様かもぉ?」「河の内だから河内神様かもぉ?」だよねぇ。
ここで著名なのは、河内神社例大祭「河内祭」。
国の重要無形民俗文化財指定を受けています。

(和歌山県東漁業協同組合古座川支所HPより引用)
古式捕鯨船に似た3隻の「御舟(みふね)」に河内神社の分霊が宿る「河内大明神」の神額を掲げ、古座川河口を遡上し、河内島を巡ります。
「祭礼は毎年6月初丑日(※)。氏子のことごとくが古田村の川原から拝む。祭式は前夜に古座川より鯨舟3艘に屋形を作り、装いに美を尽くして登り、舟歌を歌い、河内明神の島を廻り、夜明けて当日の昼頃に川を下るという。
その他、種々の俳優(わざおぎ)などがある。遠近の諸客が集い来て、はなはだ賑やかである。日置浦から新宮までの間にこの祭りに次ぐ祭りはない。これを古座の河内祭という。」
(『紀伊続風土記』「宇津木村の条」口語訳:み熊野ねっとより)
http://www.mikumano.net/meguri/seishoto.html
※現在は、7月24日(宵宮)、25日(本祭)

(み熊野ねっと「河内神社/河内祭」より引用)
いいなぁ。見てみたいなぁー♪
神事の後、各地区の祭壇や直会座で演じられるのが「古座獅子」。
熊野地方の獅子舞のルーツと言われるものです。

これは和歌山県日置川町田野井、春日神社の獅子舞。
つづく。
河内神社(宇津木の遥拝所)
和歌山県東牟婁郡古座川町宇津木171
だいたいこのへん。トンネルの西口付近・・・です。
いつも応援いただきありがとうございます。
道路をちまちまと走っていたら「あ!」と見つけられる宇津木の遥拝所です。たぶん。びゅーんっと走っちゃだめです。「遥拝所」は例えば伊勢神宮だったり本宮だったり、他の神社にもありますが、ここは社殿そのものも、鳥居もない点で貴重です。灯籠や手水鉢は大正の奉納。勘ぐるならば、明治には壊されたか廃されたか、そんなとこかなぁ?



お手数をおかけ致します。ありがとうございます。

はてさて、これは何かしら?

古座川のもう少し下流で見た、森や木々を祀る神戸神社 に似ておるぞ。

うーむ。

木、にしか見えません。

ち、ちょっとね、ねぇ。これじゃ清められず。
戸惑いつつ、石段を下りたらば。

清流、古座川の風景。

はい、何でしょう。
・・・河口から3キロにもなると、こんな子が住めるのかしら?

あっち?

あっちは、眩しい。
紀伊半島南部の基盤である第三紀四万十帯の上に堆積して出来た、泥岩と砂岩の互層「熊野層群泥岩層」の割れ目に、約1千4百万年前の火山活動で、マグマが上昇し、冷え固まった火成岩(熊野酸性岩)。

橋杭岩と同じ「岩」ですが、

こちらは「河内さま」「河内神社」と呼ばれる河内島。
島全体がご神体で、島と周辺の河原と背後の山が神域

ここは「宇津木の遥拝所」。
「崖っぷちに玉垣がつくられていて、参拝所めかしく仕つらえられている。
沖縄で言えば拝所(ウガンジョ)である。
沖縄では神社(御岳(うたき))は古神道どおり社殿をもたない。この熊野の河内神社もそうであった。」
(『熊野・古座街道、種子島みちほか 街道をゆく (8)』司馬遼太郎/朝日文芸文庫)

古くは「河内明神」。
「村の巳の方(南南東)、古座川の中にある。
高さ15間ばかり、周50間ばかりの岩山の小島である。
これを神として祀り、高川原村・古田村・宇津木村・月野瀬村の4ヶ村の氏神とする。
古から土地の人はこの島に登ったことがなく、島中の草木にかりそめにも手を触れることもない。
岸頭の岩、高さ30間、横の山足50間ばかりを境内とする。」
(『紀伊続風土記』「宇津木村の条」口語訳:み熊野ねっとより)
http://www.mikumano.net/meguri/seishoto.html

直接は河内島が拝めませんので、木をスルーする勢いでおまいり。
祭神は、素盞鳴尊。(和歌山県神社庁「河内神社」より)
前出『街道をゆく』の中で司馬遼太郎は
「憑代であるこの岩礁の神の名は、スサノオノミコトであるという。韓神(からがみ)である。韓神だからこの地域に朝鮮から渡来したひとびとが住んでいたというのではなく、この祭神は平安期の流行神(はやりがみ)だったからに相違ない。」
との見解を示し、古来の自然信仰・自然崇拝における「神」については
「本来、神に名などはなかった。 河の中の奇礁だから神が宿るにちがいないという古代の形而上的意識がこの岩礁を神聖視するにいたったに相違なく、この岩礁はこの宇宙に一つきりしかないから名などつける必要がなかったのである。」
と私見を述べています。
しばりょ歴史観の是非は別として、確かになぁ、神の名前なんて後付けなんだろうなぁーっと思うところはあります。

河内島を見て「スサノオ!」
よりは、
ほんわりと「神様かもぉ?」「河の内だから河内神様かもぉ?」だよねぇ。
ここで著名なのは、河内神社例大祭「河内祭」。
国の重要無形民俗文化財指定を受けています。

(和歌山県東漁業協同組合古座川支所HPより引用)
古式捕鯨船に似た3隻の「御舟(みふね)」に河内神社の分霊が宿る「河内大明神」の神額を掲げ、古座川河口を遡上し、河内島を巡ります。
「祭礼は毎年6月初丑日(※)。氏子のことごとくが古田村の川原から拝む。祭式は前夜に古座川より鯨舟3艘に屋形を作り、装いに美を尽くして登り、舟歌を歌い、河内明神の島を廻り、夜明けて当日の昼頃に川を下るという。
その他、種々の俳優(わざおぎ)などがある。遠近の諸客が集い来て、はなはだ賑やかである。日置浦から新宮までの間にこの祭りに次ぐ祭りはない。これを古座の河内祭という。」
(『紀伊続風土記』「宇津木村の条」口語訳:み熊野ねっとより)
http://www.mikumano.net/meguri/seishoto.html
※現在は、7月24日(宵宮)、25日(本祭)

(み熊野ねっと「河内神社/河内祭」より引用)
いいなぁ。見てみたいなぁー♪
神事の後、各地区の祭壇や直会座で演じられるのが「古座獅子」。
熊野地方の獅子舞のルーツと言われるものです。

これは和歌山県日置川町田野井、春日神社の獅子舞。
つづく。
河内神社(宇津木の遥拝所)
和歌山県東牟婁郡古座川町宇津木171
だいたいこのへん。トンネルの西口付近・・・です。
いつも応援いただきありがとうございます。
道路をちまちまと走っていたら「あ!」と見つけられる宇津木の遥拝所です。たぶん。びゅーんっと走っちゃだめです。「遥拝所」は例えば伊勢神宮だったり本宮だったり、他の神社にもありますが、ここは社殿そのものも、鳥居もない点で貴重です。灯籠や手水鉢は大正の奉納。勘ぐるならば、明治には壊されたか廃されたか、そんなとこかなぁ?



お手数をおかけ致します。ありがとうございます。
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