こんにちは。
恋バナな「おんな城主直虎」を見るかどうか迷い中な私。
録画をためておくのも何なので、見ました。
あらやだ。

第3回どしょっぱな、今川さんちのこれで鼻血ぷん。

(敵は)得たりと、切ってかかれば長刀柄長くおっ取り延べてっ♪
これは、これは、
巴じゃないかー!!うひょー♪
現行曲二百番ほどの中で唯一、女性が長刀をぶんぶんする曲です。
能楽監修は誰かと探しても名前がなくて、あれ?と思ってたら

出演者のとこにお名前が。いや、確かにそうだけども。
(敬称略でごめんなさい)
坂真太郎・角当直隆(観世流シテ方)。藤田貴寛(森田流笛方)、田邊恭資(大倉流小鼓方)、柿原孝則(高安流大鼓方)。
いずれも若手でご活躍の先生方です。
【能「巴」あらすじ】
ところは、近江国粟津ヶ原(滋賀県大津市、琵琶湖のほとり)。
ここで木曽出身の僧達が出会ったのは、めそめそ泣く一人の女。

彼女は「これは木曽義仲を祀ってるの」と言い残し、姿を消します。
そう。
近江国粟津ヶ原は、木曽義仲最期の地。
土地の者からその女は巴だよ、と聞いた僧達が弔いのお経をあげていると

鎧兜を身につけた、巴の幽霊が現れ。
そして僧達に

義仲の自害のこと、そして、
汝は女なり。忍ぶ便りもあるべし。
この小袖を木曽へ届けよ、背かば主従、三世の契りは絶え果てるからな、っと、義仲に言われて、義仲の最期の供を許されなかったことを、語ります。
それが、自らの執心となっている巴。
そして、同じ木曽の出身の僧達に

義仲の側での最後の戦いとなる「粟津ヶ原での合戦」の様子を再現します。
それが、大河ドラマ「おんな城主直虎」第3回冒頭の場面。
巴ちゃんが、うおりゃー!と長刀をぶんぶんして、敵を追っ払います。
かくて御前を立ち上がり。
見れば敵の大勢。あれは巴か女武者。
余すな漏らすなと。敵手繁くかかれば。
今は引くとものがるまじ。いで一軍嬉しやと。
巴少しも騒がず、わざと敵を近くなさんと。
長刀ひきそばめ。少し恐るる気色なれば。
敵は得たりと切ってかかれば。
長刀柄長くおっ取り延べて。
四方を払ふ八方払い。一所に当たるを木の葉返し。
嵐も落つるや花の滝波。枕をたたんで戦ひければ。
皆一方に切り立てられて。
跡も遥かに見えざりけり、跡も遥かに見えざりけりこの謡の部分は、巴が長刀を使う面白さから、曲の一部を切り取って舞う「仕舞」になっています。
びっくりするとこは、
「四方を払ふ八方払い。一所に当たるを木の葉返し」「飛び返り」直後に立ち上がって四つ拍子、します。
飛び返り、とは、飛び上がって一周(正確には半周)する型。

ふんっと踏み切る時に体をひねっておいて

足を踏み出し

踏み切って

飛んでます。

飛びながら回ってます。

着地。
すぐに立ち上がって構えて

足拍子(地団駄をご想像ください)を、とん、とん、ととんっと四つ。
お稽古し過ぎると、太股の上がぱんぱんになります。

また、長刀は軽そうに見えて、実はとんでもなく重いので

普段は扇しか持たない私には地獄。(鬘扇/女性が持つもの)
さて、この「巴」。
ビジュアル的な面白さもさることながら、ほんとにいいのは、この前後。
涙ほろほろ、悲しい巴の姿が謡われます。
つづく。と思う。
参考文献
観世流大成版『巴』(訂正著作/24世観世左近、檜書店発行)
『能楽全史』(横井春野著/檜書店/昭和5)
いつも応援いただきありがとうございます。
なんで今川ご一行様が「巴」を鑑賞してたのかは不明ですが、能ならなーんでも嬉しいぃぃぃー♪やはりちょろちょろと能の場面が出るなら、見ます。井伊直政を支えながらも、彦根の直孝ではなく直継に付けられた「井伊谷以来の家臣達」も気になります。


いつもありがとうございます。励みになります。
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こんにちは。お邪魔します。
おんな城主直虎さん、どうもついつい何かをしながらのながら見になってしまっております~
ただ第3回は観てなかったです。
お能のことはわからずでいつもつねまる様の
ご解説でそうなんだーとわかる次第でございますが~(^^ゞ
録画でチェックしようっと!!
巴御前のお話、、高校の古典で
「首ねぢきって捨ててんげり」という個所に
ひえ――ッっと戦慄が走ったことをいまだ鮮明に覚えております(^^;
こんばんは、kotodayoriです。
私も「真田丸」の次に「おんな城主直虎」を見ようかどうか迷っています、初回だけは見たのですが、どうもなあ、という感じでその後はパスしています。
「巴御前」の話の方が面白そうですね。
近江国粟津ヶ原が、木曽義仲最期の地ということは、初めて知りました。
またいろいろと歴史を教えてください。
お能って、ただひたすら静かに静かに動くものと思っていたら、こんな激しい動きもあるのね。
巴御前
木曽義仲の愛妾、私てっきり正妻だとばかり思っていましたっけ。
直虎は見ていないのよね。
真田ロスは深刻すぎちゃってね。
ただ、義元役の噺家さんの名演技は聞いています。
木曽義仲を、大河で取り上げてくれないかしら。
大河ドラマというものをずっと見ていなかったので、今回の直虎もパスしちゃったのだけれども、ところどころにこんな画面も出現するのですね。
ワタクシは金澤生まれなので、中学校でも、高校でも、能楽堂(金沢にはあるのですよ)で仕舞と能を見ることが授業の必修科目でしたし、ちょっと素敵な女の子は仕舞を習うのもお茶・お花と同じくお嫁入りのための一科目で、その仕舞の発表会の時には取り巻きの男の子たちは見に行かなくちゃならない(行ってあげなくちゃならない?)のでした。
いろいろのことを思い出しました。
さすがに、つねまるさんは鋭いですね。
大河ドラマも、これほど詳しく見てもらって、
製作関係の人も嬉しいでしょう。
残念ですが、ドラマは見る時間が無い状態ですが、
この解説で素晴らしさが分かりました。
時間があれば、たまには見ます。
ありがとうございました。
こんばんは~
名門今川家とくれば、蹴鞠と能がつきもの。
てっきり視聴されてると思ってました^^
このシーンも解説してくれるだろうなぁって、心待ちしてたんですよ~(*´pq`)
あ~巴御前だったんだ~それすら分からなかった^^
ぽちぽちぽちーーー☆彡
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
そー。私もなにかしながら見たはずなんですけど、記憶にない。
なんというか、今回は特に「だってドラマでしょ」な気持ちが強いです。ラブストーリーになっていったら、多分、もっと遠ざかるかも。
ただ、ま、能が出たらガン見です。
ちょろっと出るとこがいいんですなぁ。
「首ねぢきって捨ててんげり」
すごーい!よく覚えておいでですねー!
今、思い出しました。あったあった、これー!!
捨ててんげり、ですよ、捨ててんげり!
品詞分解とか、多分、したんだろうなぁ。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
そうなんです。
うーん、どうもなぁ、なんですよ。
これから視聴するか不明なので、早めに記事にしました。おほほ。
最寄りは京阪膳所駅、北へ少し歩いたとこに、義仲寺があります。
芭蕉の墓がありますが、これは芭蕉の遺言によるもので、義仲よりも芭蕉のお墓の方が目立ちます。
義仲の供の今井兼平も巴も単独で能の曲にあります。
どちらも勇ましいけど、悲しいお話です。
粟津ヶ原、は、都から東へ行くときの通り道なので、坂上田村麻呂が主役の「田村」でも粟津の森、石山寺、などの地名が出てきます。
ドラマはどうあれ、なにか取っ掛かりがないと「能とはー!」とは言い出しても面白くないので、また出てきたらいいなぁーと思ってます。
kotodayori様の雪景色を拝見して、ぷるぷる凍えてしまいました。
こちらこそ、またよろしくお願い申し上げます。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
若いうちは、飛んだり跳ねたり駆け回ったり、長刀を振り回したり、が、お稽古では多いです。
チャンバラみたいなものもあるんですよー。
能は、静かすぎて静止画のイメージですが、実は勇ましいものもたくさんです。
海外公演では、静かに静かにな曲はヨーロッパで、飛んだり跳ねたりはアメリカで好まれるそうです。お国柄かしら?
直虎で一年もたせるんなら、木曽義仲だっていいじゃーん♪って思いますが、時代的には前の「清盛」の悪夢が・・・。
私は立花宗茂、やってほしいです。
井伊直政の追っかけをしたことがあるので、直虎は嬉しいのですが、真田丸の後ってのが、ちょいと、ねぇ。
でも今川さんちの芸術(?)はとても楽しみですの。
蹴鞠のボールに萌えておりました。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
あらっ。いいですね、お取り巻きの子達が見に来る舞台。
名古屋では、お茶、お花、日舞が多かったです。
謡は、母の年代かなぁ?
祖母の仕舞を見慣れていたので、日舞鑑賞は辛かったです。
ぞわっとしてしまいました。
すごいですね、中学高校と能楽鑑賞。
やはり文化的に素晴らしいお土地柄ですね。
大河ドラマのこの時代は能楽がところどころに出る可能性があるので、ちょろんっと見てます。
これがいわゆる江戸ものになると歌舞伎になるので、チャンスがございませんの。案外時代劇って、寂しいものです。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
昨年の真田丸で、終わる頃にどどっといろんな話を書いたので、友人共から苦情が参りましたのよー。
録画、消しちゃったわよー!遅いわよー!って。
今年はなるべく早くお知らせできたらと思ってます。
時代考証の小和田先生が優しいので、またいつものように変なとこにこだわる制作側に負けちゃうんじゃないかとドキドキしてます。
面白いかどうかは数ヶ月見ないとわからないので、取り敢えず録画。
ながら鑑賞をしながら、耳だけは敏感です。
えへへ。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
そー。蹴鞠のボールに萌えておりました。
談山神社にあったのと一緒だわぁーって。
蹴鞠を見に行っても、ボールまでなかなか見えなくて。
・・・ボール、でいいのか?
毎回視聴はしてたんですが、どうも目と耳が日曜日だったみたいで。
おほほほほほ。
集中して見たら、あらまー、で。慌てて記事に。
にゃんこと、「酒じゃないよ、米のとぎ汁だよ」は、ちゃんと覚えてます♪
何とかだにぃー、とか、やるらぁー、とか、微妙に懐かしい言葉なのです。
遠州言葉とは微妙に違うと地元の方は仰せなんですが、浜松の友人も私も、語尾をほにゃーんっとのばしますの。
しとったにぃー、とか。
静岡は名古屋から新幹線で1時間。浜松は30分。
大阪と同じぐらいの時間なんですよ。でも、言葉は似てる。
お隣の三重県はもっと近いのに、全然アクセントが違う不思議。
やはり、木曽三川が原因かー?
巴、なのは、一目でオケーでした。
長刀を持つ女の子はこれだけですし、謡も仕舞もよく知ってるので助かりました。
初めて飛び返りするとき、膝にサポーターしてたなぁーとか、懐かしかったです。
つねまるさん、こんにちは!
いつもありがとうございます。
巴御前に義仲さま・・・
「義経」が懐かしいです。
あれ以来、大河ドラマいどっぷりとはまり込み・・・
すっかり追っかけになってしまいました(^^ゞ
能についてはまったく知識がないので、つねまるさんの解説を見て、ふむふむと思う次第です。
奈々緒さんの鬼気迫るお顔は、お面より怖かった~(笑)
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
能は平家物語から題材を得たものが多いので、習い始めの頃は自然とげんぺー好きになり、追っかけまくるはめに陥りました。
なんだか今は、源平に触れると、ほっとします。
義経、面白かったですね。
芸能指導の故野村万之丞先生の冴え渡る芸能が素晴らしかったです。
万之丞先生に出会ったことで、ナンチャンは今も狂言を習い、狂言の舞台をしてるんですよー。
能といっても、ほんの初心者なので、難しい曲はお手上げです。
おじいちゃんとおばあちゃんが主役のものとか、恋の亡執とか、そんなのはおばーちゃんになってからでいいや、です。
今はまだ、飛んだり跳ねたり回ったりです。
・・・あ。
鬼の形相の彼女は、奈々緒さんですかっ。
し、知らなかったー!!
竹千代じゅうにちゃい@阿倍サダヲよんじゅうろくちゃい
が、今週のツボでした。おほ。