こんにちは。
岡山県新見市の中世たたら製鉄操業再現の見学。

16時過ぎ。入口に注連縄が張られました。

たたら製鉄操業を行う場所には、金屋子様が祀られています。

今回は一部をふいごで送風。
手前は、砂鉄の山に砂鉄をすくい入れるスコップを立てたもの。

使い込んだ手作りの道具です。

じぃー。

炉の乾燥のため焚いていた炭や薪。

17時より、操業の安全を祈願する神事と火入れ式。

この土地の船川八幡宮さんがおいででした。

20時。すっかり夜です。
この間、ホテルでご飯&シャワーしてました。へへ。
くしゃみして鼻をかんだら、いろんなもんが出てきてびっくり。

炭投下すると炎がぶわっと。
投下するのは、広島県庄原市の古代たたら製鉄再現隊の皆様。
応援に来たそうですが、この夜は広島カープVS日ハム最終戦。こほ。

地元の大学生達が交代でふいごを押したり引いたり。

火入れから4時間ほど。今はまだ砂鉄は入っておらず、炭だけの炎。

22時。最初の砂鉄を入れる「初穂式」。

操業場内に祀られた金屋子様にご挨拶したあと、砂鉄を入れます。

村下(むらげ)さんが見守るなか、半年以上もの間準備作業を行ってきた方々により最初の砂鉄が入りました。

この後、30分毎に炭と砂鉄を交互に入れる作業が15時間続きます。
玉鋼を作る本操業では3日間。これを「一代(ひとよ)」と称します。

炉の上部にあるでっぱりが、前と後ろの境目。

砂鉄は、二人の村下さんのお弟子さんがそれぞれを担当。

最後まで各々持ち場が決まっているようでした。

炉の下をのぞいて具合を見たり

炉の縁にこぼれた炭などをお掃除したり炉のひびを埋めたり

炉の横の下の送風管上部から砂鉄と炭の具合を見たり。

驚くことに、すべて素手。
要所要所で村下さんが確認していますが、基本的には二人のお弟子さんにお任せしているようでした。

村下さんの無言の厳しくもあたたかい目が、とても印象に残っています。

これから15時間、寝ずの操業が続きます。
いつも応援いただきありがとうございます。
炉のそばにいればぬくぬくなのですが、お外の気温は8度。歯の根もあわぬ寒さとはこのことで。車のヒーターをがんがんにしながら真っ暗な国道をひたすらホテルへ急ぎ、お風呂で「ほーっ」としました。だって片道200km強を翌日も走らないといけませんもの。睡眠、だいじ。


お手数をおかけ致します。ありがとうございます。
- 関連記事
-
貴重な体験を見せていただきありがとうございます。
古代からの製鉄、これ等も神に感謝しているんですね。
今の我々は、あまりにも文明に慣れすぎていて、
物に感謝していないことを恥ずかしく思います。
そう言えば、魚を捌くのもしんじがありますね。
昔の人は、全ての物を受けるのに感謝です。
現代人も少しは見習うようにしたいですね。
こんばんは。
金屋子神さま、こんな神様がいらしたんですね。
ウィキで調べると、かなり荒々しい神様だったのかな。
村下さんは、金屋子神様の末裔ということなんですね。
炭だけでも、ものすごい火が燃えるんですね。
≪30分毎に炭と砂鉄を交互に入れる作業が15時間続きます≫
ヒエエエー、すごいわ~
これは重労働、というより神事と結びついたものなんでしょうか。
私の生活では絶対に見られないもの、どうもありがとうございました。
こんばんは~
素手で作業って凄い!熟練の技です~~
炎が、とっても綺麗~~
8度、こっちなみの寒さですね^^;
お疲れ様です~ぽちぽちぽちーーー☆彡
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
たたら製鉄を行うにあたり、よいケラや鋼が出来るようにお祈りするのは、金屋子様。
製鉄の操業の安全を祈願するのは、その土地の神様。
なるほどぉー!面白いなー!っと一人で感激しておりました。
思えば、神棚には氏神様、台所には荒神様、など家の中にも複数の神様をお祀りしてますし。
また、おっしゃる通り、神様へ供える魚をさばくときは手を触れない作法がありますね。
神の恵みととらえると西洋のものになりますが、いろいろなものに神が宿っているのが日本的なのかな。
ごはんつぶにも神様がおいでですもの。残すとバチがあたるとよく言われました。
ほんと、忘れてるものを思い出し、ひとつひとつに感謝しないといけないなぁと思います。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
金屋子様は、製鉄と遠いとこにいるとお目にかかりませんね。
好物は村下さんのアレなように、裏のお顔が強烈ですね。
おっしゃる通り、金屋子様の末裔というか鉄を作ってよしとされている唯一の存在ととらえられているそうです。
たたら製鉄で使われる炭は、バーベキューや蒲焼きで使われるかっちかちの備長炭ではなく、生っぽいとこを残した柔らかい炭です。
燃やして灰にして砂鉄と共に下へ落とさないといけないので、細かく砕かれています。
たたら製鉄を生業として行っていた頃は、操業後にどれだけお金になるものがとれるかにかかっており、そのための祈願が主だと思います。
お金を稼がないといけないのでもっと大量に作り、よって、一旦失敗してしまったら損失が大きいですし、時には水蒸気爆発等も起きたようです。
金屋子様へ願う気持ちは生活と直結するものだったのではないかなー?と思います。
現在は送風を機械で行っていますが、一番労力を要するのは、送風を行うふいごをする人。非常に重労働のため、番子が交代で行います(かわりばんこの語源)。
鉄を作り出すのって大変だったんだなーっと、ぽかーんっとしました。
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
お弟子さん達はお水で濡らしてから触れてましたが、村下さんはとっとっとと近付いて、ぺた、っと触れて。びびりました。
企業なら防火仕様の手袋してヘルメットしてあれやこれやとうるさいでしょうが、それではお仕事にならないでしょうね。
今はまだ炭の炎の色ですが、これから炎が変わります。
気温ね、一桁なんてこっちは真冬。
あー、そちらはもうあんな寒さなんですね。きゃー。
車のヒーター最強にして、シートもあちあちにして、やっと落ち着きましたのよー。寒かったです!
初穂神事からたたら製鉄の作り方の記録は凄く貴重ですね!
良くぞ時間をかけて記録されましたね!
11月5日の分にはコメントが入りません。ご一報までに! ありがとうございました>
こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。
たたら、という言葉や、製鉄遺跡には触れる機会があるものの、実際に
操業を見るととても化学的で面白かったです。
知らない事を印籠に、皆様に尋ねまくって、ほんとにいろいろな事を教えていただきました。
滋賀や丹後半島にも製鉄遺跡は多く、また、炉を復元したものがあるそうです。古代炉から中世炉には、滋賀で変化したとの論説もあるようで、興味が尽きません。
そちらではもう紅葉が見頃でしょうか?
そろそろまたうろつきたいなぁと思ってます。
いつもお心遣いいただきありがとうございます。