生野銀山(3)徳川時代の金香瀬旧坑露頭群

こんにちは。

弘治2年(1556)山名の臣竹田の城主太田垣能登守謀叛して在城す。

永禄10年(1567)堀切の山出来す。銀出ること夥し。(中略)
元亀元年(1570)大木どものもとにて鉉内(鉱石部分)を見付け間歩をなす。即ち此の木どもを字(あざな=脈の名)にして今に至るも右の如く呼ぶ。

間歩どもに銀ある事恰も土砂の如し。
(『銀山旧記』)


秀吉の但馬攻めの後、信長は生野銀山全山を占領して採掘。

秀吉の時に銀石を求めて全国から大勢の山師などが集まり、狭い谷筋に密集するように鉱山町を形成。


なにかとお金が必要です。

銀山の開発は最盛期。

そして、徳川時代へ。(信長・秀吉・徳川時代共に直轄地)

慶長5年(1600)徳川家康は、但馬金銀山奉行を配置。

生野銀山は、佐渡金山、石見銀山と並び天領として徳川幕府の財政を支えます。

本日は地上に露出した鉱脈をたんけん。


左の階段を上がって行きます。


ほっくりほっくりする人。


落書きしたくなるのもわかりますな。


事故が起きませんように。


味のある復元です。


坑道へ避暑に訪れたはずが


炎天下をてくてく。あちぃ。


「慶寿の堀切」とは、鉱脈を掘ったあと。


それが、この露天掘り跡(ひ:かねへんに通。樋のイメージで)。

「永禄10年(1567)堀切の山出来す。銀出ること夥し」(『銀山旧記』)

と記される生野銀山最大の鉱脈である千珠ひの一部で、非常に高品位の銀(自然銀)を産出。

江戸末期までの300年間で深さ200mまで掘られました。


その横の岩盤に、坑道の入口っぽい穴。


鉱脈を掘ったんだなーっと思う形跡。


右下に坑道の入口。


遊歩道を挟んで続く慶寿ひ。

鉱脈は岩盤の割れ目に染み込んで形成されるので、高傾斜に一定の方向に板状に続いています。
その鉱脈に沿って掘るとこうなる、っと。


ほっくりの落書き。


辰巳坑の入口。


今なら重機で一発ほいほいですが。


お散歩中のおじさまに教えていただいたんですが、草むらに入ると山ヒルにやられるらしく。

いや、マムシはそうじゃなかろっと思いつつ、虫除けスパッツ装着中。


入口がこんなん、やだわ。怖いわ。


小日向坑道は、銀の品質が非常に高かった鉱脈。


大丸坑道は、断層により分断された鉱脈らしく。


そのまま下の観光坑道へと繋がっているそうです。


その横。ここは、亜鉛鉱石(閃亜鉛鉱)があるそうな。


大亀坑道入口と大亀ひ。

山師漆垣太郎兵衛が登尾大亀山で、大亀が背中に銀石を乗せて這い出した夢を見た。

そこを掘り進むと、良質の鉱石が見つかったと言う伝承のある大亀坑。

文政10年(1827)に「御所務山」の認可。

※ごしょむやま:品質の高い鉱石がたくさん出る鉱山の中の最高位の山。役人が常時詰め監視監督にあたる。

天保元年(1830)に御見石を産出。


御見石とは、その年に産出された中で一番極上の鉱石。

年に一度の山神祭りに「御見石」を豪勢な飾幕で飾った山車に乗せ引き回しました。


岩盤には所々にこんな穴。足場を組んだ跡なのかなー。


あ、やってるやってる。


暑いからやだ。


いつも応援いただきありがとうございます。
暑い最中に岩山を眺めて何やってるの?なんて言わないでー。素人にはただの岩盤ですが、山に入って鉱脈を見つける山師ってすごいなーっと
びっくりです。この露頭群の下に、全長350kmにも及ぶ坑道がありますのよ。どきどきです。

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お手数をおかけ致します。ありがとうございます。
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非公開コメント

凄い!

やっと朝は涼しくなってきてホッとしていますが、
金鉱遺跡を拝見して、寒さを通り越して鳥肌です。

凄いものが残っているんですねえ。
それにしてもつねまる様の行動力には脱帽です。
まむしにヒルと聞いたら、私はもういられません。
山の中もなんだか恐いですし。

でもおかげさまで、
私では到底見ることができない珍しい光景を見せていただきました。

No title

こんばんは。

金鉱とか、銀鉱とか、気になりますね。
暑い中を本当に、ご苦労様でした。
私は、暑さが苦手で思うように出て行けません。
寒くなったら、動き易いのですが・・・

因みに、PCの中で探しましたが、「𨫤」ありました。
「ひ」で探すと出てくるのがすごいですね。

何時もの探索とブログに感心しています。
狛ちゃん、暑くても我慢ですね^^

No title

凄いですねぇ。
人間のやることだもの、当然露天から掘って行ったんですね。
好きな割には鉱山に行ったことのない私だけど、佐渡鉱山のあの露天掘りを見て、人間の欲(この場合は為政者の欲だけどね)には果てしがないわと。
この下に、350Kmの坑道があるって、ぞわぞわしますね。
そこで命がけで働いた坑夫たちが居たんだものね。
閉所恐怖症の私としては、考えただけでダメです。
とっても興味深いブログで、とっても嬉しいです。

No title

こんばんは~

こういう山を個人所有しても持て余すなぁ^^
坑道を掘る資力がないから^^
やっぱ時の権力者の直轄地になる運命なんですよね^^

いたずら書きが可愛い^^
大変だったんだろうなぁ、掘り掘り^^

ぽちぽちぽちーーー☆彡

雨宮清子(ちから姫)様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

先日より少し涼しくなりましたが、大阪はまだまだ酷暑が続いております。一旦涼しさを覚えたので、辛さ倍増です。

そちらは落ち着かれたようで、羨ましいです。

生野銀山、面白かったですー!!

生野銀山よりも古いのは多田銀山という所で、これは大阪北部と兵庫県が接する辺りになり、多田源氏達の住まい付近になります。

ただ多田銀山は私有地が多く、観光化に苦心されていて、真夏はちょっと虫とか虫とか虫が。

生野銀山の注意書は、恐らく鉱物好きな人が掘った跡の隙間などを探検されるため、まむしのいる所へ踏み入れてしまうからのようです。

生野銀山がある朝来市は、鹿が山ヒルをくっつけて里へ下りてきているので、ちょっとした遺構でも要注意なのですよー。

流血騒ぎになるのは嫌なので、極力、遊歩道から外れないように炎天下に佇みました。あちぃー。

銀山を掘る人達で賑わったところなので力石があるかなぁ?っと思ったのですが、悲しいことにここにも神仏分離や火災による数度の移転、廃寺等があり、今回は追いきれませんでした。

one0522様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

銀山とか、金山とか聞くと、山吹色のお菓子とか「やめてくだせぇお代官様ぁ~」とか、一攫千金の猛者さん達がわっさわっさなイメージが。

夏になると毎年、「生野銀山はめっちゃすずしい♪」とテレビで紹介されるので、そんなに涼しいのか!っとわくわくしました。

関西の北西の内陸部には、ここに限らず鉱山が点在しています。

様々な歴史があるようで、興味深いです。

おうちにいても暑いので、夜明け前からおでかけしているうちに、酷暑はさすがに収まりつつあるような気がします。

「ひ」、ありましたか!あら。
すごいですね。私も探してみます。

暑い中をうろうろしていると、やはり狛犬さんに癒されますが、画像の「どうしたの?こんなとこで、どうしたの?」っと思うちびちゃん、とてもかわいそうでした。

万見仙千代様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

そうですね、まずは見えるものからやっつけて。

仮面ライダーなどの爆破シーンを撮影する採掘場は、山ごと重機で一発ですが、こつこつと手で鉱脈を掘ったってとこがすごいですね。

おおお、佐渡鉱山。

あそこもすごいんですよねー!!きんきらきーん。
能舞台と狛犬さんを追いかけて、ゆったりと行きたい場所です。

生野銀山は、閉山翌年から観光坑道として公開するよう整備されているので、ほんとに楽に見ることが出来ます。

石見銀山はガイドがないと廻ることが出来ないですし、距離もあるのでちょっと大変。

全体の図面を見ると、ほんとに蟻の巣のようで、鉱脈を求めてノミ1本で探った人々の苦心を思うと、じんわりきました。

閉所も高所も恐怖症はないんですが、虫がアウトです。
カマドウマが降ってきたらどうしよー!?っと、ドキドキしてました。

興味深いといっていただき、とても嬉しいです。
あっちこっちに行くわ、主題はぶれるわ、とっ散らかってるわ、ですが、面白いものがあちこちにいっぱいなので仕方ないのですわ。えへへ。

これからもよろしくお願い申し上げます。

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

わいて出る金銀すなご>経費

ならいいですけどねー。

生野銀山は、石見銀山よりは奪取作戦の攻防が少なく、但馬攻めが終わったらちょこんっと信長のお手々にのりました。

掘っていく現場の人にはここには書かなかった色々な心配事もありますから、神様や仏様にすがる所も強かったのかな。

それに、たまには気分転換にいたずらしたくもなりますよねー。

刻印石みたいな自己主張がないとこも、ミソですね。
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