熱田神宮(2)熱田神宮焼失。熱田空襲と愛知時計電機

こんにちは。


大楠さんも、元気でした。


本宮は大にぎわい。


両親の分もご挨拶。

さてこちらの熱田神宮ですが、昭和20年3月と5月の2回の戦災により本宮が焼失しています。

境内の数々の国宝も焼失。


戦前の熱田神宮本宮です。

現在の社殿は伊勢神宮の式年遷宮の際の古用材を譲り受け、昭和30年10月に造替されました。


【熱田空襲】

熱田区一番町、白鳥橋周辺は、戦時中、軍用機メーカー愛知航空機(現・愛知機械工業)の工場、住友金属工業名古屋工場、愛知時計電機の工場が立ち並ぶ軍需工場集中地。


名古屋の歴史に熱田神宮などは無論ですが、軍需工場が多かったことも必ず語らねばならないと思います。

これが結果としてアメリカ軍の標的となり、名古屋大空襲となり、甚大な被害を受けるのですから。


《愛知時計電機》

他の地方の方には耳慣れない企業名と思います。


元は時計を作る「愛知時計製造」であった「愛知時計電機」は、明治より精密機械製造の実績を買われて、陸軍や海軍か爆弾の信管など精密兵器の注文が入る兵器生産を重点に据える企業となり。

大正年間には1号機を完成させ、「愛知時計電機」は「三菱重工業」・「中島飛行機(富士重工業の前身)」と共に、日本を代表する航空機製造企業へ。

広大な面積を必要とする航空機工場を現在の熱田区「千年船方」に飛行機組立工場、機械工場を完成させます。


愛知時計電機本社工場/『名古屋市全図』昭和8年発行より


瑞穂工場で製造していた時計部は分離独立させ「愛知時計株式会社」として、「愛知時計電機」は軍需製品専門の企業に。


どんな航空機を作っていたかというと。

車輪を持たず水面に離着水する飛行艇や水上機、空母に離着艦する艦載機など、海軍に納品する航空機が中心。

真珠湾攻撃に参加した「九九式艦上爆撃機」、戦艦などに搭載して偵察時に発進する「零式水上偵察機」や航空母艦に搭載する「彗星」などを生産。



愛知時計電機の航空機製造/『愛知県史』資料編第30巻より


昭和18年、他の兵器生産と切り離した航空機専門の会社「愛知航空機株式会社」を設立。
昭和19年12月7日の東南海地震で工場は大きな被害を受けます。

※戦時中のため秘された東南海地震です。


《熱田空襲》

愛知航空機(現・愛知機械工業)、住友金属工業名古屋工場、愛知時計電機本社工場では、従業員や学徒動員された生徒達、合計約2万2千名が就労。


昭和20年6月9日。


午前8時24分、空襲警報発令

アメリカ軍130機が琵琶湖方面から大阪方面へ向かったため、

午前8時45分、空襲警報を解除。

従業員・動員学徒達は工場へ戻り。

ところが、40機余りが名古屋を急襲。


午前9時15分。再び空襲警報発令。

午前9時18分。空襲第一波。


アメリカ軍B29爆撃機47機から1トン爆弾を含む総計278トンによる集中爆撃。

航空機生産工場「愛知時計電機」「愛知航空機」を第一目標とする爆撃です。

わずか10分の空襲で、地域住民併せて全体としては2千名余りの死者が出ました。


一旦出されていた空襲警報が解除となったことで、退避していた人々が職場へ戻ったところを爆撃されたことで被害が拡大。

愛知時計電機で、死者1176~1314名。
愛知航空機で、死者567~663名。
住友金属工業名古屋工場で、死者162~192名。

一般市民は、348名。

あわせて2253~2516名にも及ぶ犠牲者が出ました。

これは、名古屋大空襲の中でも最大の犠牲者数です。

忘れてはいけない事です。




学徒動員により他の工場で級友の大半を失った母はいつも、皆さんが心安らかにお眠りできますようにお願いしなさいと。


ご縁があって熱田神宮へおまいりの際には、この熱田空襲の事を少しだけ思い出していただけたらと存じます。


参考文献
『愛知時計電機85年史』(愛知時計電機株式会社/1984年)


いつも応援いただきありがとうございます。
愛知時計電機を責めるつもりはありません。各社の工場が立ち並んでいた名古屋ですから、当時のアメリカ軍の爆撃の標的となったことはわかります。しかし、何十年経っても心の中に辛い思い出として残ることは事実。母は多くを語りたがりませんでしたが、熱田神宮へ来るときには必ずお花を供養碑等に供えておりました。

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