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天椅立神社(3)丹後国風土記「天椅立」。橋と梯子と椅

こんにちは。


お客さんを待ちわびる狛犬さんがいるのは、


徳島県三好郡東みよし町の、天椅立神社。


【祭神】伊邪那岐命・伊邪那美命 

式内社「阿波國美馬郡/天椅立神社」論社。


立神社。

「椅」の漢字って、


椅子の、「い」ぐらいでしかお目にかからず。



椅子を立てた神社になっちゃう。


何で「椅」を「はし」って読むのかなぁー?


「天のはしだて」といえば、日本三景のひとつ「天橋立」。


丹後半島の付け根にありま(すみません。素通りしました)。


「天橋立」の由来の伝承は、

「『丹後国風土記』逸文」にあり。


丹後国の成立は、和同6年(713)4月。

加佐・與佐・丹波・竹野・熊野の5つの郡が、丹波国から分かれて成立。

翌月、元明天皇による「風土記」撰進の詔が発せられます。

1、郡郷の名(好き字を用いて付けなさい)
2、郡内に生ずる銀・銅・彩色草木禽獣魚虫等を記録
3、土地の肥沃の状態
4、山や川など地名の由来
5、古老が伝える古い伝承や珍しいお話

上記を言上しなさい、と。


『丹波国風土記』は『奈具社』『天椅立』『浦嶋子』の3つのみ逸文(原文は失われても他の文書の引用文として伝わる)として残ります。


『天椅立』

丹後の国の風土記に曰はく、與謝の郡。郡家の東北の隅の方に速石の里あり。

此の里の海に長く大きなる前あり。
長さは一千二百廿九丈、広さは或る所は九丈以下、或る所は十丈以上、廿丈以下なり。

先を天の椅立と名づけ、後を久志の浜と名づく。

然云ふは、国生みましし大神、伊射奈芸命、天に通ひ行でまさむとして、椅を作り立てたまひき。

故、天の椅立と云ひき。

神の御寝ませる間に仆れ伏しき。仍ち久志備ますことを恠みたまひき。故、久志備の浜と云ひき。此を中間に久志と云へり。


(秋本吉郎校注『風土記』/「日本古典文学大系2」1958/岩波書店)


先名天椅立/後名久志濱/然云者/國生大神伊射奈藝命/天爲通行/而椅作立/故云天椅立/神御寢坐間仆伏/仍恠久志備坐(『釋日本紀卷五』)


『丹後国風土記/逸文』によれば、天椅立とは、


国生みの伊射奈芸(いざなぎ)命が天に通うために椅(はし)を作った。


これが『天椅立』の名の起こりだと。


「椅」は結局何かといえば。

天に通うために作り立てたという文脈から「橋」や「梯子」のこと


ちなみにその椅は、伊射奈芸(いざなぎ)命が寝てる間に倒れ伏してしまい、「こりゃ不思議(クシビ/久志備)だ」と言った。だから後に久志(クシ)の浜という。


天橋立は、倒れた梯子ってことか?(画像/wikipediaより)


そんな、古い古い『天椅立』の名を冠するのが、丹後国から遠く離れた阿波国の


です。

えーっと。天へ通じる橋や梯子の神社?


すごいじゃないかっ。


丹後の天橋立については、柳田国男が現況と一致しないと異論を唱えています。

ハシダテと云へば梯を立てたやうな嶮しき岩山を云ふのが常のことで、其梯が倒れて後に之を橋立と云ふのは不自然なるのみならず、風土記に大石前(おほいそざき)とあるのが今と合はぬ。

此は寧ろ湾の外側の岩山のことであったのを、名称と口碑とが何時か湾内の砂嘴に移って来たものと見られる。」
(『定本柳田国男集』筑摩書房 /新装版)


うーむ。


けわしい岩山どこ?


式内社天椅立神社(論社)って、不思議だなー。

次回、


どんでん返し。


天椅立神社
《住所》徳島県三好郡東みよし町昼間3266




いつも応援いただきありがとうございます。
丹後半島ドライブで、つい面倒くさくてスルッとスルーしてしまう天橋立。おほほほほ。だって混んでるんですものー。しかしまぁ、天へ通じる橋だの梯子だのとはこれまた壮大なお話です。遠いんだろうなー、天って。きっとたどり着く前におばあちゃんになっちゃうのだわっ。

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