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父上を見守る聖徳太子十六才孝養像と太子堂。世尊寺(その7)

こんにちは。


淡路島に漂着した香木で作られたという伝承のあるのは、


比曽寺(現・世尊寺)の「十一面観音菩薩立像」(下の画像・右側)。


画像の左は、「聖徳太子十六才孝養像」(世尊寺パンフより)。


「高さ1m、寄木作、金泥彩色の十六才孝養像で、柄香炉を持つ。
太子十六才の折に、天皇が御病気になられ、日夜傍らに侍して看病、食事を供されたうえ香炉をささげて平癒を祈られた故事によるものである。」

「頭髪を『みずら』に結び、体に袍を着たうえに袈裟をかけ沓をはき、右手を前に左手をその後に添えて柄香炉を持っておられる」
(世尊寺パンフレットより)


製作年代は、鎌倉から室町時代とされる像。



山岸涼子さんの『日出処の天子』を愛読していた身にはおなじみの髪型。


親を思う心はいつの世でも変わらないですね。
どんな姿でもいいから、生きていて欲しいものです。

病の父に付き添っていた聖徳太子。

彼が父・31代用明天皇のために建立したのが、ここ比曽寺の


東塔でした。


もうおなじみの、三井寺の三重の塔。


「聖徳太子十六才孝養像」は、


普段は聖徳太子を本尊として建立された太子堂に安置されています。


毎年4月29日(かつては4月22日)に行われる聖徳太子の会式(おたいっさん)の時にしか会えないのかなぁと思っていたら。


ご本尊の阿弥陀様の横においでになりました。

せっかくだから、皆さんにお会いしてもらおうと思ってねぇ、と住職さん。

年末までご本尊の側にいらっしゃるそうです。

意思の強そうな目元に比べ、まだ成長しきっていない体つきからは少年期特有のアンバランスさと、父の病を心配しているとても心細そうな不安な感じを受けました。

さて、太子堂。


屋根の瓦には、後醍醐天皇が命名した「栗天奉寺(りってんほうじ)」の、栗。



「角屋の鬼瓦に享保7年(1722)、同9年(1724)の瓦銘があり、内部の虹梁絵様、蟇股等の細部様式等と考えあわせて18世紀前期頃に建てられたと考えられている。」(世尊寺パンフレットより)


おや。なんかいる。


かわいい龍さんでした~。

おんまさんみたいなお手手です。うふ。

これじゃ珠をつかめないでしょうに。
どうするのかなー。ドラえもんみたいに、くっつけるのかなー?


おいでおいで~(*^_^*)


ざんねん。

ちなみに、馬のあんよ(蹄)の龍がいるのは、播磨の室津に鎮座する賀茂神社の表門。


「馬足の龍」です。

・・・蛇足でした。


太子堂の建物としての特徴は、


寄棟のお堂(法堂)の後ろに入母屋の張り出し部(角屋)がある点。

この張り出した角屋は、内部では仏壇部分に当たります。


角屋が突き出す形は、奈良県内でもあまり例がない建築様式だそうです。


江戸時代に往時の姿を描いた境内図。

「聖徳太子十六才孝養像」の製作年代が鎌倉から室町時代であり、太子堂はこれを本尊として創建された点から、もともとの太子堂の創建は少なくとも江戸時代より遥か前。

境内図の西側にひとつだけ東を向いた建物が見えますが、これがかつての太子堂かと思われます。

18世紀前期頃に建てられたと推定される太子堂の屋根に、後醍醐天皇の命名した「栗天奉寺」の名を記した軒瓦が残る点も興味深いです。



次回、住職さんのお話より。

伝えたいこと。

最終回。のつもり。


参考

現地説明板(大淀町教育委員会)
世尊寺パンフレット
住職さんのお話


いつも応援いただきありがとうございます。立派な三井寺ではいまいちピーンとこなかったのですが、三重の塔の故郷を訪ねてみよー!っとお気楽に来たはずのここでは鬼太郎みたいに髪の毛が逆立つほどピーンピーンとなりまして。鼻の穴と毛穴とお口が開きっぱなし。ふごー。目にするものひとつひとつがとても興味深くいとおしく、忘れられないお寺になりました。その要因のひとつに、住職さんのお人柄があります。好好爺然とした中に、お寺へ向ける情熱がひしひしと伝わるとても素敵な方でしたのよー。
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