中世たたら製鉄操業見学(4)炉の解体と操業の終了

こんにちは。


あちあちあっち。


きれいですねぇ。


熱いけどっ。


最後のズクを出した後、炭と砂鉄の投入を止め


13時より、送風管等を外しまして。


炉だけが、ぽつーん。


いよいよ、炉の解体が始まります。


かぎ先のついた棒で引っ張って


少しずつ炉の壁を落とします。


壊すのが容易なのは、


作る時に粘土ブロックを積み上げる構造だから。


炉の内部ではまだ火が残っているので、炉壁は高熱です。


熱いやら砂ぼこりやらで、たいへん。


切り込みを入れて、


引っ張って落とす作業を繰り返し。


ちびちゃんになったところで、炉の解体は終わりです。


ケラ押し法の場合(安来市和鋼博物館)


砂鉄は、炭と炉の内側の土の作用による還元反応で炉の中で成長。


炉を壊して、ケラを取り出し


冷やしました。


今回は、ズク押し法なので、


炉の下からノロ(不要物)と共に流しだし


必要なズクは、冷えたらパッカリとノロと分離します。


なのでちょっと平ぺったい形。


あとは炉が冷えるのを待って、底に残ったズクを取り出します。

ポイントは、炉壁の厚さ。


操業前はこれだけの厚みがあり、


底の方が分厚い「Vの字形」になっていたものが


壁が薄くなり(特に手前)、Vは拡がって凹形になっています。

砂鉄の還元(鉄にくっついた酸素を取る・酸化の反対)に、炭と炉の内側の土が反応を助けるため、炉が食われた感じです。

さて。

これで一昼夜続いた中世たたら製鉄操業再現は、おしまい。


そうね、そろそろ。


ばいばーい。

名残惜しいけれど、炉とさよならして、大阪へ戻りました。


いつも応援いただきありがとうございます。
砂鉄と炭を入れて、の繰り返しですが、操業を行う村下(むらげ)さん達の動きや炎の色、下から流れ出る真っ赤な鉄、どれもが初めて見るものばかりで、とても面白く拝見しました。はるばる新見市まで走ってよかったです。これにて中世たたら製鉄操業見学は、おしまい。

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中世たたら製鉄操業見学(3)ズク押し法とケラ押し法

こんにちは。


朝8時。朝ごはんに焼き芋食べて、元気もりもり。

皆様、徹夜の操業です。


既に炉からズク出しがされてました。


ず・く。

たたら製鉄の方法には二つあり。

ケラ押し法とズク押し法です。


1.ケラ押し法(直接製鉄法)

材料:主に真砂(まさ)砂鉄

特徴:砂鉄から直接、鋼のかたまりを作る。鍛えて硬く出来る。

用途:日本刀、刃物、工具


安来市和鋼博物館で年に一度行われた古代たたらの復元は、ケラ押し法。

ポイントは、新見市は中世で、こちらは古代という点。
炉の形が違います。


炉から流れるのは、ノロ。これは不要物のかたまり。うんぴぃ。


排泄物を出した砂鉄は、炉の中で成長。(還元反応)


炉を壊して、ケラを取り出します。


和鋼博物館に展示されている炉の形いっぱいに出来たケラ。

ここから、玉鋼などを取り出します。

一方。


ズク押し法で出来るのは、こんな形。なぜかしら?


2.ズク押し法

材料:主に赤目(あこめ)砂鉄

特徴:鋳物や鋼等のもとになるズク(銑鉄)を作る。
   炭素量が多く溶けやすい。

用途:溶かして鋳物。大鍛冶場で炭素を抜いて鋼(左下鉄)。炭素を下げて包丁、等。


ズク&ノロちゃん。

ケラ押し法では、炉の下から出てきたものはノロ。不要物。
ズク押し法では、ノロと共に目的物のズクが出てきます。


昨夜の炭だけの炎とは勢いも色も違うように見えます。


お。


ほじくって、


きゃ。


すごいなー。


穴にたまるようになってま


あふれた。


灼熱です。


ズクとノロの比重差や成分の違いで、冷えるとパカッと割れるそう。


まだあっちいちいです。


ノロず。


ズクず。


今回は、内緒の四種類の砂鉄をブレンド。


投入した砂鉄量と出来上がるズク量を記録するため、計測。


砂鉄を入れるのは、村下さんのお弟子さん。


あと数時間です。

次回、いよいよ炉を壊します。


いつも応援いただきありがとうございます。
夜22時に最初の砂鉄を入れ(初穂)、0時に初めのズクを出し、その後も絶えず炭と砂鉄を交互に入れる繰り返し。「よく寝ましたか?」と村下さんに聞かれて心がちくちく。今回の新見市での再現で、前回の操業と違うズク押し法というものを間近に見ることが出来てとっても満足。ご多忙なのにあほーに付き合ってご説明下さった皆様に感謝です。

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中世たたら製鉄操業見学(2)初穂式と操業開始

こんにちは。

岡山県新見市の中世たたら製鉄操業再現の見学。


16時過ぎ。入口に注連縄が張られました。


たたら製鉄操業を行う場所には、金屋子様が祀られています。


今回は一部をふいごで送風。

手前は、砂鉄の山に砂鉄をすくい入れるスコップを立てたもの。


使い込んだ手作りの道具です。


じぃー。


炉の乾燥のため焚いていた炭や薪。


17時より、操業の安全を祈願する神事と火入れ式。


この土地の船川八幡宮さんがおいででした。


20時。すっかり夜です。

この間、ホテルでご飯&シャワーしてました。へへ。
くしゃみして鼻をかんだら、いろんなもんが出てきてびっくり。


炭投下すると炎がぶわっと。

投下するのは、広島県庄原市の古代たたら製鉄再現隊の皆様。
応援に来たそうですが、この夜は広島カープVS日ハム最終戦。こほ。


地元の大学生達が交代でふいごを押したり引いたり。


火入れから4時間ほど。今はまだ砂鉄は入っておらず、炭だけの炎。


22時。最初の砂鉄を入れる「初穂式」。


操業場内に祀られた金屋子様にご挨拶したあと、砂鉄を入れます。


村下(むらげ)さんが見守るなか、半年以上もの間準備作業を行ってきた方々により最初の砂鉄が入りました。


この後、30分毎に炭と砂鉄を交互に入れる作業が15時間続きます。

玉鋼を作る本操業では3日間。これを「一代(ひとよ)」と称します。


炉の上部にあるでっぱりが、前と後ろの境目。


砂鉄は、二人の村下さんのお弟子さんがそれぞれを担当。


最後まで各々持ち場が決まっているようでした。


炉の下をのぞいて具合を見たり


炉の縁にこぼれた炭などをお掃除したり炉のひびを埋めたり


炉の横の下の送風管上部から砂鉄と炭の具合を見たり。


驚くことに、すべて素手。

要所要所で村下さんが確認していますが、基本的には二人のお弟子さんにお任せしているようでした。


村下さんの無言の厳しくもあたたかい目が、とても印象に残っています。


これから15時間、寝ずの操業が続きます。


いつも応援いただきありがとうございます。
炉のそばにいればぬくぬくなのですが、お外の気温は8度。歯の根もあわぬ寒さとはこのことで。車のヒーターをがんがんにしながら真っ暗な国道をひたすらホテルへ急ぎ、お風呂で「ほーっ」としました。だって片道200km強を翌日も走らないといけませんもの。睡眠、だいじ。

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中世たたら製鉄操業見学(1)岡山県新見市。炉の準備

こんにちは。

島根旅はまだまだ続きますが、まずは今日から鉄子。


岡山県新見市で行われた「中世たたら製鉄」操業。


新見市は東寺の荘園であった時代があり国宝「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」に「新見庄」の記述があります。


これは1400年代の「たまがき文書」

現在は人口約3万人の新見市。米子市と岡山市の中間点に位置します。


操業見学中にドクターヘリが来てびっくり。


ドクターヘリは有視界限定なので、霧等の時は来れません。

地域医療の現実を垣間見た感じです。


8:30。まだ炉は3分の2くらい。

水蒸気爆発防止の為の湿気をとことん排除する地下構造があり、その上に「下灰作業」という、炭や薪を燃やして叩いて圧縮、叩いて圧縮を繰り返した上に炉を作っています。

たたら製鉄の操業は、この準備が大変。
新見市のこちらは、地域の皆様が実に半年以上を費やして薪を集め、炭を砕き、下地を作った「中世たたら製鉄操業再現」なんですよ。


炉の下部が分厚い「V」型になってます。ここ、ポイント。


下の方では炭火で乾燥中。


熱くないのかしらと思いつつ、後の作業を見ればこれは冷たい部類に。


空気穴なのは私にもわかるぞ。ぶう。


内緒の土で作った粘土ブロックを


積み上げて~


ぺちぺちっと整えます。


火力を上げて、乾燥。


燃えてます燃えてます。


長い薪を入れて、さらに乾燥。け、けむい。


炉の横の空気穴付近の地面を整えて


みんなでわいわい。通気のための筒を取り付けます。


本来は、竹の筒(節を抜いて)に和紙を巻いたものを用います。


手前から「ふいご」等で送られた空気を分散&細くするとこ。

お祭りなどで売ってる、ふぅーっと吹いたらぺろぺろぺーっと紙がのびるアレ(何だっけ)のようなものかしら?


このままではあっちーちーなので、


土で覆って、お熱から守ります。


出来上がり♪


スコップ持ったかわいい後ろ姿は、村下(むらげ)さん。

たたら製鉄操業の総責任者です。


あ。


私の好きな、まんまるちゃん。何だかかわいいです。


ちょっと出ちゃったおへそみたい。

簡単なように見えますが、ここまでの作業が終わったのは15時過ぎ。
たいへんだー。


いつも応援いただきありがとうございます。
まだ真っ暗な大阪を飛び出して200数十キロを走り抜け、やっとたどり着いた新見市。10月に安来市和鋼博物館での古代たたら製鉄再現を見学していたのを村下さんが覚えていてくださって、おやつをいただいたり、とっても細かく説明いただきました。日本でただひとりの村下さんなのに、あほーな私にもお付き合い下さり申し訳なかったです。

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岡山県新見市で中世たたら製鉄再現。炉、炭、砂鉄

こんにちは。


焼きいもの朝ごはん食べて、えっちらおっちら。

やって来たのは、


岡山県新見市の、中世たたら製鉄再現の現場です。

新見市は、京都の東寺最大の荘園で『東寺百合文書(×とうじゆりもんじょ○とうじしゃくごうもんじょ)』に多数記述があり、鉄を納めた云々の記録が残ります。


前日にここまで作って


作業当日の今朝から、れんがのような土を練ったかたまりをのせて


美人さんにして


炭火で乾燥。


節を抜いた竹に和紙を巻いた送風管を炉に取り付けてるとこ。


17時より神事、火入れ式。


夜になったらヒトケタの気温。さぶっ。


火の加減を確認中。


あああ、あったかぁい。


22時より初種式(最初の砂鉄投入)。


炭と砂鉄を交互に入れる作業は、延々と日曜日の昼過ぎまで続きます。

というか、続いています。ふぁいやー。


いつも応援いただきありがとうございます。
岡山県といっても、ほぼ鳥取県と島根県。岡山市と米子市の中間にある新見市も、たたら製鉄が行われていた土地です。ほんとは徹夜で見ていたいけど、最低気温がヒトケタなのでホテルでお泊まり。寒くて寒くて。明日の朝も早起きして見に行きます。

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古代たたら製鉄復元。安来市の和鋼博物館

こんにちは。

連休ですね。ってことで、


来ちゃった~、安来市へ。


和鋼博物館で年に一度行われる古代たたらの復元。


これは「菅谷」地区のたたら製鉄を行う建物(高殿)内。

ここに、砂鉄と木炭を交互に入れて、刀剣等のもとになる鉄の塊を作ります。


ちっちゃく再現。

今日は、ちょろっとだけご紹介。


最初の砂鉄を入れる儀式。「初種式」


木炭、投下。

これを繰り返していると、


炉の下から


砂鉄に混ざる不純物などが、出てきます。

「のろ」といいます。


冷えて固まった、のろ。

捨てるしかない「てつぐそ」(あらやだっ)

うんぴーのように、ちゃんと出さないと本体によろしくないみたいです。


空気穴からのぞいて、砂鉄と木炭との反応具合を確かめる村下さん。

むらげ、さん。役職名。

たたら製鉄において、全てを監督する責任者。

門外不出、一子相伝だったため、日本にはこの方しか残っておらず。


送風は機械で行っていましたが、ふいごを番子が交代で、つまり「かわりばんこ」で踏むのも再現。

これが、ものっすごいスピードでした。


最後は、炉を壊し


中から


砂鉄と木炭と炉の土が反応して出来た鉄のかたまりが。


これを水に入れて冷やして


ケラ(かねへん、に、母)の出来上がり。


本日のメニュー。


体重40kgのケラさんができました。

めでたしめでたし。


いつも応援いただきありがとうございます。
初種式に間に合ってしまうほどはやーく着いたわたくし。途中で博物館へ行ったりランチしたりしましたが、16時のケラ出しまでずーっと眺めてしまいました。アホかーって自分でも思いますが、面白かったです。へへへへ。

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