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大山寺と大神山神社の神仏分離。関金温泉で旅のシメ

こんにちは。


だいせん。

「國に固堅め立てし加志は、伯耆国なる大神岳是なり」と国を引き寄せる綱(鳥取県の弓ヶ浜半島)をつなぎ止める杭として、伯耆国の「大神岳(火神岳)」の記述(『出雲国風土記』)。

「云々、昔大己貴命、少名彦名命、須勢理姫命、伯耆国大神山に御坐、出雲國由来郷に来坐して云々」(『神祗志料』左比売山神社の条)

草昧の国土を見下ろし国見をし、国造りを相談した大山の山頂。

古来より、山そのものをご神体とする信仰がある大山です。

そして、大山といえば大山寺と大神山神社。


古来「大山寺」という名の寺はなく、南光院・中門院・西明院の総称でした。

奈良時代に創建され、平安末期、室町時代には、天台宗山岳仏教の修験場として隆盛、「三院一八〇坊僧兵3千人」の大寺院に。

僧兵3千人の名残が


足がぐきぐきっとなる自然石の参道の横に


落ちてた 残っています。


僧兵の力石です。

これを持ち上げて力を競ったとか。すごいなー。


お寺と神社、どっちだ?

正解は、神仏分離で廃れたお寺の門を大神山神社奥宮へ移築した、です。

・・・わかるかよっ。



「神仏習合」の時代には、祭神「大己貴命」+地蔵菩薩=「大智明権現」

明治の神仏分離で、大智明権現の社殿を大山寺から分離し、大神山神社奥宮に。(大神山神社本社は麓の米子市)


大神山神社奥宮は、日本最大級の権現造りの社殿。

引くと、


火災による焼失後、文化二年(1805)再建。

大山は「大己貴命、少名彦名命、須勢理姫命、伯耆国大神山に御坐」(『出雲国風土記』)とあるように、神様が降臨した山。

神仏分離で「元の形に戻った」(地蔵院住職談)と言えるそうです。

では、すんなり分けておしまい、かと思えば


破壊行為はあったようですね。


痛々しいです。

さて。今回の旅。

大山山麓のペンションに宿泊。

オーナー女史が学生時代に外国を一人旅した経験から作ったお宿は清潔で、とても居心地がよかったです。

彼女はお話しているととてもわかるのですが、とても賢明な方で、利用者が何を求めているか、そして自身に出来ることは何かをすごく考えていて、心の琴線にバリッと触れました。

とても素晴らしい方に出会えたことがこの旅の一番の収穫です。

狛犬さんも好きになってもらえたかなー?


一泊目の朝ごはん。焼き立てパンが自慢です。


二泊目の朝ごはん。


お持ち帰り出来るので、お昼にもいただきました。

最終日は


大山西側から反時計回りに移動して、東側へ。遠くに海。


関金温泉共同浴場で、ラドン含有量が半端ないお湯につかって、

お姉さま方とゆっくりお話して。裸のつきあい満喫。

中国道の宝塚トンネルで15キロの渋滞にずぼっとはまって、ゲロゲロになりながら帰宅。けろー。


参考資料は、大神山神社説明パンフ、現地説明板など。


いつも応援いただきありがとうございます。
大山の博労座駐車場から、ずーーーーっと登り、大山寺や参道の横やあっちこっちをふらふらしたので、午前中はここで費やしました。あ、関金温泉に入る前。お向かいの地蔵院の住職さんに少しお話を伺うつもりが、二人ともノリノリになってしまって。一時間以上ご案内いただきましたの。おほほほほ。

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お手数をおかけ致します。ありがとうございます。
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非公開コメント

こんばんは

何時もは、狛ちゃんにうっとりですが、
この食事の写真を見ると…涎が・・・

今回も食事の写真が出ていて、
旅は良いなぁ、と羨ましい!
こういう旅館など探すのが上手いようですね。
毎回、写真を見ていきたくなるような宿です。

one0522様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

むふふん。美味しそうでしょー?美味しかったですー♪

ペンションに一人旅が宿泊できて、休前日でも値段不動なとこ(ここ、大事)は滅多にないので、ここはまた使うと思います。

でもお昼と夜は粗食。
お蕎麦にしたり、朝のパンにお惣菜で済ませたり。

部屋にテレビのないお宿でしたので、風の音や木の葉が揺れてカサカサいう音を聞きながらのんびりしました。

とにかくあちこちへ行くので、安さ第一。

最近は民宿のようなお宿でも、お部屋はセキュリティがしっかりした所が多いので助かります。

たまーにフロントにスーツの人がいると、ドキドキします。えへへ。

No title

こんばんは~

美味しそうなモーニング^^
やっぱり出たか神仏分離。
神様は昔からいるだけなのに、時の権力者の意向で習合したり分離したり迷惑だわ~

素敵な眺め・・・と苦行ロード。
昔の山伏や僧兵は足腰達者だったんだな~

ぽちぽちぽちーーー☆彡

時乃★栞様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

朝からごちそう。普段の生活との格差が激しすぎです。おほほ。
手作りの焼き立てパンって、ほんとに美味しいですね。
作ろうと思ったことがない料理音痴なので、これだけでもごちそう。

そう。出るのよ、どこでも。
まあ、出雲大社でさえ習合してたのですから、犬も歩けば神仏分離。

駐車場からすぐに、後ろへひっくり返るような坂道を上って、ぶへーっとなりながら石段上って、大山寺。

そこからさらに足がぐきっとなる登りの参道。石段、ぐきっとなる参道、また石段。そしてようやく大神山神社奥宮。

登山の人が多いので、皆様すいすい。
私はいろんなものを撮影するふりして、休み休みです。

ほんとに、昔の人は健脚ですね。

今晩は

僧兵の力石・・・
有無を言わさぬ、質実剛健さが漂っています。
修行のための装置といった風情ですね。
迫力があります。
機会があれば見てみたいものです。
 路傍学会長拝

No title

すごい濃い旅をしていますね。
坑道もすごかっけど、たたらもすごかったです。
〆がまた優雅で、本当にいい旅!

ところで僧兵が担いだ石臼があったんですね。今度、師匠に聞いてみます。「ちゃんと調査しましたかって」

路傍学会長様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

僧兵が大勢いたお寺は複数あり、力石っぽいものはありましたが「弁慶のお手玉」など別の名前が付けられていて、はっきりと「僧兵の力石」と案内されている所が面白かったです。

ちゃんと腕を当てたようなへこみがあるのも、面白いです。

これを持ち上げるとか、山々を駆け回るとか、日々の修行が厳しそうです。そりゃ都の人はかなわないだろうなーっと思いました。

質実剛健、確かにそんな表現がぴったりですね。

おっしゃる通り、なんとも言えない迫力があります。
参道の傍らには、ひっそりと歴史を物語るものがあるものですね。

雨宮清子(ちから姫)様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

えへへ。走り回っているだけですが、面白い旅でした。

たたら、という言葉の持つなんとも言えない不思議な魅力に、すっかりはまってしまいました。

シメはかけ流しの温泉。これだけは譲れませんわ。おほほほ。
シャワーもカランもなく、こじんまりとした湯船があるだけですが、ほんとにここはいいお湯でした。

僧兵の力石。案内表示があるので、そこそこ有名なのかなー?
僧兵がいた他のお寺では、弁慶のお手玉、など別の名前があるので見逃していました。

そうか、こういう力石もあるのかっと、わくわくです。

m(__)m

\(^o^)/ 今晩は。
奥出雲の旅、お疲れ様でした。

<「國に固堅め立てし加志は、伯耆国なる大神岳是なり」と国を引き寄せる綱(鳥取県の弓ヶ浜半島)をつなぎ止める杭として、伯耆国の「大神岳(火神岳)」の記述(『出雲国風土記』)>
壮大な話ですね。

日本刀にも興味があるので、いづれ備前やたたらも見に行きたいと思っています。

minekazeya様

こんにちは。いつもご多忙の中のご訪問とコメントありがとうございます。

奥出雲、いいとこでしたー。

『出雲国風土記』はお話が壮大過ぎて、何のことかわからないことも。
まぁ、出雲のことですから、これでいいのかな。

たたら跡は近い(?)ところで宍粟市にも残っています。
奥出雲奥出雲と言っていますが、たたらの範囲は中国山地。広いです。

やはり現場を見るのが一番ですね。
少し遠いですが、ぜひぜひお出かけくださいまし。うふ。
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古典芸能の能楽の、謡と仕舞のお稽古ぐだぐだ日記も。

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